追悼。リンキン・パーク、チェスター・ベニントンによせて


本当に悲しい。
チェスター・ベニントンが亡くなった。
20日朝、自宅で亡くなっているのが発見されたそうだ。

リンキン・パークはツアー中で、秋にはONE OK ROCKとの来日公演も控えていた。

『ワン・モア・ライト』はバンドにとって、何度目かの大きな挑戦に挑んだ素晴らしい作品で、世界中でNO.1ヒットとなった。
光に包まれたきらきらしたサウンドと、そこに向かって手を伸ばしているようなとても重い詞がリンキン・パークらしくて、それは同時に、この時代に多くの人が心の底で求めていた音楽だった。
だからこそ時代にとってのポップとなりえたのだと思う。
“ヘヴィー”の歌声が、ずっと耳から離れない。

先日、アルバムのプロモーションのためにチェスターはマイクとともに来日し、ロッキング・オンでは、ONE OK ROCKのTakaとの対談を行った。
その時のインタヴューで、こんな彼の発言が印象に残っている。

「未来について歌うことではなくて、今、自分にとって大切なことを曲にするのが大事なんだ。
過去に素晴らしかったものや、これからやってくるものを歌ってもダメだよ。
今、この瞬間を見逃してしまうからね。それは人生のあらゆることに通じる。
今、自分が目にしているもの、胸をときめかせているものに集中しろ、ということだね。
僕たちがミュージシャンとしてやっているのも、まさにそういうことなんだ」

ご冥福をお祈りします。
(井上貴子)
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