年末特別企画! ロッキング・オンが選ぶ、2021年の「年間ベスト・アルバム」TOP10を発表! 【第7位】

年末特別企画! ロッキング・オンが選ぶ、2021年の「年間ベスト・アルバム」TOP10を発表! 【第7位】

2021年も、残りあとわずか。

新年へのカウントダウンが盛り上がるこのタイミングで、ロッキング・オンが選んだ2021年の「年間ベスト・アルバム」ランキングの10位〜1位までを、毎日1作品ずつ発表していきます。

年間7位に輝いた作品はこちら!
ご興味のある方は、ぜひ本誌もどうぞ。

【No.7】
『サワー』/オリヴィア・ロドリゴ


年末特別企画! ロッキング・オンが選ぶ、2021年の「年間ベスト・アルバム」TOP10を発表! 【第7位】

ググる前に触れるべき才能

2021年初頭にリリースしたデビュー・シングル“ドライバーズ・ライセンス”はビルボード・チャートで8週連続1位(各地チャートでも軒並み1位)というセンセーションを巻き起こし、5月(日本盤は6月)の本デビュー・アルバムも当然のトップを記録。同時に年間最多の週間セールスを記録した作品となり、現在18歳のオリヴィア・ロドリゴはデビュー・シングルとデビュー・アルバムの双方で1位を獲得した最年少アーティストとなった。

Disney+初のドラマ・シリーズ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』(Disney+はパンデミック下の巣ごもり需要によりユーザー数が急増した)で主役を務める人気者ティーンエイジャーは、一躍2021年の音楽シーンを象徴する存在となったわけだ。

オーディション番組やドラマ出身の新人アーティストが大きな注目を集めるのは、決して珍しいことではない。しかしなぜオリヴィアがこれほどの支持を獲得することになったかと言えば、それはやはりデビュー曲“ドライバーズ・ライセンス”によって、その驚異的な作家性を印象付けることに成功したからだろう。

運転免許を取得したティーンの少女が、郊外をひとりでドライブしている。その道すがらでは何が起こるわけでもない。いつか自宅へと送り届けることを夢見ていた恋人は隣の座席におらず、思い出の道筋と孤独な現実が交差する心象の中を走り続けている。メランコリックなメロディで切々と歌われるその曲は、余りにも鮮やかにティーンの直面する哀しみを描き出していた。
 
立て続けに“デジャヴ”や“グッド・フォー・ユー”といったシングル曲をヒットさせ、満を持して届けられたアルバム『サワー』は、冒頭”ブルータル”のポスト・グランジなアタック感を備えたロックや、フォーキーなメロディ、現代的なビート感のポップ・チューンなど多彩な音楽性を内包していたものの、やはり少女の傷心、孤独と憂鬱、ジェラシーが大きなテーマとして横たわる作品になった。

作詞・作曲はプロデューサーのダン・ニグロとの共作(後に、敬愛するテイラー・スウィフトの作品などが参照元として追加クレジットされた)だが、その揺るぎない世界観の構築と、ポップなメロディを逐一リードしてゆくような言葉選びは、オリヴィアのオリジナリティに他ならない。(小池宏和)



「年間ベスト・アルバム50」特集の記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


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