オリヴィア・ロドリゴが待望のセカンドアルバムから新曲”Vampire”を発表。記録的なヒットとなったデビュー作後の第2章が幕開け。

オリヴィア・ロドリゴが待望のセカンドアルバムから新曲”Vampire”を発表。記録的なヒットとなったデビュー作後の第2章が幕開け。

オリヴィア・ロドリゴが、待望のセカンドアルバム『GUTS』を9月8日に発売すると発表。ファーストシングルとなる”Vampire”を解禁した。MVはこちら。

この曲についてインスタで以下のように説明している。

「この曲はすごく才能があり、素晴らしい友人でもあるDan Nigroと去年の冬に作った。そしてビデオは、最高なPetra Collinsと作った。
この曲を書いたことで、後悔や、怒り、傷心など様々な感情を整理するのに役立った。この曲はアルバムの中でも私が一番好きな曲のひとつで、書き終えるのは、すごくカタルシスのある体験だった。

とうとうみんなの元に届いて嬉しい。

あなたの人生において、あなたの血を吸うような人(摂取者)がいたら、その人と向き合い助けになってくれれば良いと思う。

心から永遠にありがとう❤️」

というわけで、記録的な大ヒットとなったデビューシングルの”drivers license”の続きのようなこの曲は、ピアノのバラードで始まり途中から激しくのぼり詰めていくドラマチックな展開だ。歌詞の内容はかなり暗い。

彼女が有名だから付き合って、彼女を利用して、嘘を付き、ヴァンパイアのように血を吸い付くした元彼氏(多分)、について歌った曲だ。

プロデューサーは、前作と同様Dan Nigroで、MVも前作で監督したPetra Collins。同じコラボレーターというところで劇的な変化の作品ではないのではということは予想できる。

この曲について、ローリング・ストーン誌でもこう語っている。

「この曲は良い前進だと思えた。前作から大きな方向転換とは言う曲ではないけど、それでいて新鮮に響くと思うから。そこが私にとってはエキサイティングなところだったし、良いと思えた。それが、アルバムの残りの曲でも目指したことだった」


さらにApple Musicのインタビューにも答えている。

●サウンドについて。

「去年の12月にピアノで作り始めて、プロデューサーのダンと1月に作り終えた。もともと高音から低音へと変化するようなダイナミックな曲が大好きだから、曲の終わりまでクレッシェンドのような曲にしたかった。自分の怒りを吐き出すような曲にしたかった」

●エモーショナルなパフォーマンスについて。

「もともとエモーショナルな方だし、子役だったことが役立ってるのかもしれない。それにエモーショナルになれていないと、ダンが私を携帯で撮影したりした。撮影されている方が、私はエモーショナルなパフォーマンスができるから(笑)」

●新曲、新作の方向性について。

「前作でやったことを全て捨てて全く新しいことをするのではなくて、自然な前進をしたような作品。だから”Vampire”という新作も『GUTS』と言うアルバムも自然な前進のように思える」

●いきなりの成功の後、ツアーを終えてどう思ったか。

「全てがあまりに一瞬で起きて、人生が変わるような体験で、強烈だった。だからツアーが終わったら、ゆっくりして一体何が起きたのかを自分の中でじっくりと消化してみた。こういうことって毎日は起きないよね、って」

●人の期待を考えないで曲作りをすることについて。

「1年半前くらいに曲作りを始めたんだけど、ピアノの前に座った時に、人がどう思うのか考えないで曲作りをするのがすごく難しかった。そういう状態がかなり長く続いて、だけど、ある時、自分がラジオで聴きたいと思う曲を作らなくちゃいけない、と気持ちを切り替えた。それがアーティストとしての自分の唯一の仕事だと思うし、それ以外のことは自分にはコントロールできないから、ってね。そう思えたら、より楽になってクリエイティブになれた」

●アルバムタイトル『GUTS』について。

「このタイトルはかなり長い間考えていて、『SOUR』を作っている時から、次のアルバムは『GUTS』にしたいと思っていた。『SOUR』と同じ4文字で、しかも全部大文字で、ってね。それからこの言葉は色々な意味で使われるのも面白いと思った。”Spill Your Guts”(何もかも打ち明ける)とか、”Hate Your Guts”(=マジで嫌い)とかね。勇気って意味もあるし、”Listen To Your Guts”など本能って意味もあるしね。偶然にもそういうことを考えていたしね」

●ディストーションやより暗いものに惹かれることについて。

「それは子供の頃からよりヘヴィな曲を聴いていたからかもしれない。それから自分の毎日の生活の中では、怒りとか、ムシャクシャする心境とかって表現する機会がないでしょ。だけど音楽ではそれを表現する自由がある。毎日の生活や仕事中にはめちゃくちゃになってるわけにはいかないから」

オリヴィア・ロドリゴが待望のセカンドアルバムから新曲”Vampire”を発表。記録的なヒットとなったデビュー作後の第2章が幕開け。

●今の生活は?

「ニューヨークに引っ越ししたばかりで全く何もない部屋に今いる。実際このアルバムも、(NYの)エレクトリックレディ(スタジオ)でレコーディングした曲がたくさんある。すごくインスピレーションを得る大好きな街」

また、新作『GUTS』についてプレスリリースでは以下のようにコメントしている。

「私にとって、このアルバムは、成長期の苦しみについてと、人生の今の時点で自分が誰かのかを探そうとしている作品」。
「18歳から20歳の間に、自分は10歳年齢を重ねたように思う。ものすごく居心地が悪い、変化の時だった。
だけどそれは成長の過程では当たり前のことだと思うから、それがこのアルバムの中で反映されていれば嬉しい」


オリヴィア・ロドリゴのデビュー作『SOUR』は、発売時に、女性アーティストとしてSpotify史上最高のストリーム数を記録し、年間を通して売れ続けたばかりか、年間アルバムチャートにも軒並み入る評価の高さ。しかもグラミー賞も3つも受賞。あらゆる面で成功したため、このセカンドアルバムは、史上最もプレッシャーを抱えて作られた1枚と言って過言ではないと思う。ようやく1曲発表できてホッとしているはずだ。

ちょうど1年前のグラストンベリーでは、中絶の権利を訴えて、リリー・アレンと”F*** YOU”を共演したのも最高だった。

またビリー・ジョエルのマディソン・スクエア・ガーデン公演では、彼女の歌詞にも出てくる”Uptown Girl”を共演。

ホワイトハウスを訪問して、若者にワクチン摂取を訴えたりもした。

ツアーも大成功だったし、新作発売が待ちきれない!



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オリヴィア・ロドリゴが待望のセカンドアルバムから新曲”Vampire”を発表。記録的なヒットとなったデビュー作後の第2章が幕開け。
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