【ロッキング・オン創刊50周年記念号】元編集長でライターの粉川しのさんからお祝いのメッセージが到着!

【ロッキング・オン創刊50周年記念号】元編集長でライターの粉川しのさんからお祝いのメッセージが到着! - rockin'on 2022年3月号rockin'on 2022年3月号

現在発売中のロッキング・オン3月号にて、
元ロッキング・オン編集長でライターとして活躍されている粉川しのさんに、今回の「創刊50周年」によせて原稿をご執筆頂きました。

本誌に掲載されている、その一部をご紹介。




2005年からは編集長を務めた。あの時代のROの試行錯誤は私の編集長としての試行錯誤とも重なる。本誌を超個人的に捉えていた自分にとって、「ファースト・イン・ロック・ジャーナリズム」の看板を背負うのは、正直とてつもなく難儀な仕事だったし、難儀ではあったが、それだけに何物にも代え難い経験でもあった。

退社してだいぶ経つが、今でも読者の人から「あの号のチェスターの写真はまだ部屋に貼ってます」なんて言われることがあって、そのたびに雑誌を作っていて良かったと、何度も噛み締めてしまう。

最後に思い出深い取材の話を幾つか。例えば2005年大阪のノエル・ギャラガー。オアシスのドキュメンタリー『ロード・ドント・スロー・ミー・ダウン』を感動的に締めくくる一言、「リアムがハゲたらオアシスは終わり」はあのインタビュー時の発言で、オチが決まってドヤ顔のノエルが今でも目に浮かぶ。2007年のフジロック、占いの館のような薄暗いテントでロバート・スミスと対面したシュールな数十分も忘れ難い。取材のたびに(カールに)デジカメを盗まれたり(ピートに)号泣されたりと散々だったザ・リバティーンズも、今ではいい思い出だ。取材ではないけれど、1998年に赤坂BLITZで観たレディオヘッドは、初めて「私はこれについて書きたい、批評したい」と切実に願ったライブだった。

あとやっぱり、個人的にROと言えばスウェードだ。初の対面取材でブレットに「私がこの仕事を選んだ理由の大半はあなたです」と伝えると、「僕らはほんと厄介なファンが多いよ……」と苦笑された。でも、そもそもロックを聴いている人間の大半は厄介なんじゃないか? ロッキング・オンが50周年を迎え、これからも続いていくということがその証拠なんじゃないかと思う。

粉川しの



創刊50周年記念特集は、発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載されています。
購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


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