大型来日公演の発表・開催が相次いでいる今日だが、2022年内にマルーン5の来日も決定した。しかも、なんとグループ史上初となる東京・大阪でのドームツアーである。前回の2019年は東京ドーム一夜限りのステージだったし、2015年には大阪城ホール公演がスケジュールの都合でキャンセルという経緯があったため、今回発表された京セラドーム大阪公演はそのリベンジ的意味合いも込められることになるのではないか。熱の入ったステージが期待できる。
マルーン5も御多分に洩れず、近年のパンデミックには悩まされてきたが、現在は中南米、中東、北米と続くワールドツアーの真っ最中であり、11月末のシンガポールを手始めにアジアレッグを開始することになる。日本では12月4日に東京ドーム、6日に京セラドーム大阪公演が開催される予定だ。
R&Bやヒップホップ、レゲエとの華やかなミクスチャーを奏でてきたマルーン5のポップロックは、周知のとおりロック冬の時代にも大きな支持を得てきたわけだが、目下の最新アルバム『ジョーディ』は悲しい出来事を背景にした“メモリーズ”に代表されるように、ポストEDM /ビートミュージックのマナーとマルーン5らしいメランコリアが繊細かつ上品なポップとして結実していた。
もちろん、華々しくダンサブルな曲調だって彼らの元々の持ち味だし今回のライブを盛り上げてくれることは間違いないけれど、繊細な構造の楽曲を巧みなエフェクトやプログラミングによって豊かに鳴り響かせていた『ジョーディ』の収録曲が、ドームの大規模ライブにおいてどのように再現されるのか。音響面の創意工夫も非常に楽しみなステージである。
デビューしてすぐにスター級バンドの仲間入りを果たし、2004年以来素晴らしい来日公演の数々を繰り広げて遂にドームツアーの機会へと到達したマルーン5は、我々日本のリスナーにとって今や洋楽ライブ文化の守護神と呼んでも過言ではないだろう。たっぷり期待し、また万難を排して12月に備えたいところだ。 (小池宏和)
マルーン5の記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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