遂に全開になったクリスタル・キャッスルズの本領

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クリスタル・キャッスルズの新作『(III)』、本当に凄い。
思えば「ニュー・レイヴ」(!)シーン真っ只中に現れたカナダの異端児デュオであり、その佇まいも含めてかなりリスナーを限定する向きもあった彼女たち。
プレス嫌いでも有名で、『NME』カバーストーリーも相変わらずかなりぶっ飛んでいる。
エレクトロニック・ミュージックという面からみても浮いていたし、このままカルト化していく可能性もあったわけなんだけど、この『(III)』は根性入りまくり、シーンの流れを変えるべきアルバム。
セルフプロデュースで、デジタルを導入せず、最先端のエレクトロニック・ミュージックをやるというとことんな姿勢もまた最高。

クリスタル・キャッスルズは、あらゆるものが氾濫し、善悪の区別すらつかないようなことがまかり通る現代において、究極、意味のあるものなんて何もない、だからこそ、すべてに対してNO、と言うのだと思う。
その「何もない」を表すために、バンドではなくイーサンとアリスの2人であるということもまた必然だったわけだし(というか、2人だからこそこれが生まれてきたといえるんだけど)、歪だらけの美しすぎるアートを作り出すわけなのだ。
ここにきて、すべてに納得させられる作品。(羽鳥)
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