女性SSWの新時代をスネイル・メイルと共に体現するサッカー・マミー、そのカジュアルにしてホーリーな初来日公演を観た

女性SSWの新時代をスネイル・メイルと共に体現するサッカー・マミー、そのカジュアルにしてホーリーな初来日公演を観た

サッカー・マミーの待望の初来日公演を観た。昨年は女性SSWが大充実の一年で、その勢いはミツキコートニー・バーネット、ジュリアン・ベイカーらが続々来日する今年も継続中。そんな中、スネイル・メイルと並んで傑作デビュー・アルバム『クリーン』をリリースしたのがナッシュヴィル育ちの21歳、サッカー・マミーことソフィー・アリソンだ。

今回はフルバンド・セットで、冬の巣籠もりのようなサイケデリックの陶酔と、荒っぽいガレージの覚醒が交互に押し寄せる、予想以上に豊かな膨らみを感じさせるパフォーマンスに。一方、ブルース・スプリングスティーンの“I’m On Fire”のカバーから“Still Clean”への流れを筆頭に、ソロ弾き語りも素晴らしかった。弾き語りこそがベッドルームから始まった彼女の原点であり、本来最もインティメイトで等身大に触れられる場であるはずなのに、むしろ近寄りがたいくらいホーリーな祈りを感じてしまったのだ。

ソフィー自身はおっとりマイペースな女子で、バンドの白熱においても弾き語りの崇高にあっても気張らず、あくまで日常の延長線上にあるメロウな歌声が逆説的にマジカル。「ありがとう、後で乾杯させてねー」とMCも絶妙のヌケ加減でした。(粉川しの)
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