FUJI ROCK FESTIVAL '19の第2弾出演アーティスト発表に、思わず驚きの声が漏れた人も多いのでは。さらに日割りも発表になって、早くも各日の行動予定を妄想する楽しみも増えました。今回の追加ラインナップの発表で要チェックなのは、まず、金曜のサブリナ・クラウディオ。まだ22歳とは思えぬ大人びたルックスと歌声に確実に初見でノックアウトされるであろう、新世代のR&Bシンガー。妖艶なビジュアルと際どいMVから話題が先行しがちだが、シンガーとしての表現力には舌を巻く。同じく金曜にラインナップされたTYCHO（ティコ）は、チルなエレクトロニカで、夜のフィールド・オブ・ヘブンなどでじっくり堪能したいところ。


土曜に追加された中では、コートニー・バーネットは見逃せない。実はまさにいま来日中で、本日が東京公演という絶妙なタイミング。間に合うのであれば、今日のライブでぜひ彼女のクールでオルタナティブなギターサウンドを味わってみてほしい。新世代のレフティ・ギターヒロインの音が、フジの大観衆の前で鳴り響くのは想像するだけでワクワクする。さらに、ULTRA JAPANのメインステージにも出演し、昨年大躍進を遂げたDJ／プロデューサーのジョナス・ブルーにも注目。叙情的で切ないポップミュージックとしての普遍性をダンスミュージックに昇華し、清々しく踊らせてくれること間違いなし。


最終日の要注目アーティストといえば、コメット・イズ・カミングの出演にも嬉しい驚きの声が上がっていそうだ。UKジャズを代表するサックス奏者のシャバカ・ハッチングス率いるこのバンドは、ポストロックとフリージャズとがトリップ感全開で融合したようなユニット。フジロックというオーガニックな場所でのライブは特別なエクスペリエンスになることは必至。さらにヴォードゥー・ゲームの強力で現代的なアフロファンクのビートなど、フジロックならではのラインナップには唸る。


今年のフジロックは第1弾の発表から驚かされっぱなしだったが、第2弾でさらにテンションが上がるアーティストを多数発表してくれた。日本のアーティストも、ELLEGARDENやORIGINAL LOVE、スガシカオ、銀杏BOYZ、電気グルーヴなど、スルーできないアーティストばかり。今日の発表で仕事が手につかなくなった人も多いのでは。今後の追加アーティストの発表も、ますます楽しみになった。（杉浦美恵）