画面越しでも制御不能なエモーションが大爆発! フィーバー333のライブストリーム『WORLD TOUR FOR THE WRONG GENERATION』を徹底レポート!

画面越しでも制御不能なエモーションが大爆発! フィーバー333のライブストリーム『WORLD TOUR FOR THE WRONG GENERATION』を徹底レポート! - pic by JONATHAN WEINER pic by JONATHAN WEINER

米発のトリオ・バンド、フィーバー333の凄味はライブにある。一度体感すれば、あのパフォーマンスをまた観たいと渇望する人たちが日本でも続々と増えている。

振り返れば衝撃の初来日となった「FUJI ROCK FESTIVAL '18」をきっかけに、今年頭には二度目の単独来日公演が実現。大阪、東京に加え、初の名古屋となったcoldrain主催の大型フェス『BLARE FEST. 2020』に出演した際(2月1日)、ラスト曲“Hunting Season”でステファン・ハリソン(G)はステージ脇の鉄格子に猿のごとくよじ登り、ポートメッセなごやの天井付近でギターをブンブン振り回して観客を騒然とさせていた。

そんな常に観る者をハラハラドキドキさせる彼らが、10月23日に待望の新EP『WRONG GENERATION』を全世界同時リリースした。

今年1月末にジェイソン・エイロン・バトラー(Vo)と対面取材したときに、「前作『ストレングス・イン・ナンバーズ』でようやく足場が整ったんだ。今準備している次の作品はさらにとんでもないことになるはずだよ」という言葉を聞いて期待は高まっていたが、こちらの予想を超えるハードコア濃度高めの作風で度肝を抜かれた。

それもそのはず、ジェイソンはミネアポリスで起きた警察官によるジョージ・フロイドに対する傷害致死事件を受け、ロサンザルスのストリートで13日間に渡って抗議活動に参加、そして、14日目に自宅に戻って、新EPの制作に取りかかったという。
 
画面越しでも制御不能なエモーションが大爆発! フィーバー333のライブストリーム『WORLD TOUR FOR THE WRONG GENERATION』を徹底レポート! - FEVER333『WRONG GENERATION』FEVER333『WRONG GENERATION』

その新EPのお披露目とパンデミックの状況を受け、フィーバー333がニュー・タイプのライブ体験であるグローバル・ライブストリーム・ツアー『WORLD TOUR FOR THE WRONG GENERATION』を敢行。

画面越しでも制御不能なエモーションが大爆発! フィーバー333のライブストリーム『WORLD TOUR FOR THE WRONG GENERATION』を徹底レポート! - pic by STEVE THRASHERpic by STEVE THRASHER

今回は新EP発売日となったツアー初日のロンドン/ヨーロッパ(23日のPM8:00/PM9:00)の模様をお伝えしたい。このツアー自体は計6回開催され、10月27日には日本に向けて配信されるので是非チェックしてほしい。もちろん編集なしのリアルなライブである。  

まずはオープニングからグッと惹き付けられた。ヘルメットと盾を持ったPOLICEが画面上に背中を向け、その透明の盾からジェイソンが叫ぶ表情をカメラは捉え、新EPの冒頭を飾る最狂ソング“Bite Back”でショウはスタート。

ジェイソン、ステファン、アリック・インプロタ(Dr)のメンバー3人は正方形のスタジオ内で演奏を繰り広げ、それを取り囲むように3面のスクリーンが設置されている。そのスクリーンには燃えるビルディング街が映され、メンバーの演奏下にはアスファルトの道路が映されるという演出まで施されていた。

俺たちの音楽はストリートで生まれた真のレベル・ミュージックなんだ!と宣言する映像をバックに、牙剥き出しのシャウトとヘヴィな演奏をド頭から叩き付けてくる。1曲目から激しい怒りを爆発させるテンションに圧倒された。  

次の“Soul'd Me Out”に入ると、白黒の照明が激しく明滅。天井にはバンドのトレードマークであるブラックパンサーが映され、細部に渡る演出効果にも目を奪われた。女性コーラスをイントロに配した“One Of Us”で演奏はさらにダイナミックな波形を描き、《Stand up》と連呼する歌詞のアジテーションにも危機迫るものを感じずにはいられない。

アメリカ国旗が燃える映像の中で披露した“Made An America”においては《アメリカを作ったんだ、俺たちがこんなアメリカを》(訳詞)と痛烈な皮肉を込めたメッセージが胸に突き刺さる。  

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そして、新EP表題曲“Wrong Generation”をプレイ。トラックにはRZA、トム・モレロが参加しており、ヒップホップ色の強いグルーヴィーな曲調が強烈で、ジェイソンは床に寝そべってシャウトする姿も見受けられた。

静謐な“Am I Here?”を経て、“The Innocent”ではカメラにマイクを向けたりと、バーチャルとはいえ観客の参加を必要に促していく。
ヘヴィな起伏が最高な“We're Coming In”を挟んだ後、ここでErica Silvaをゲストに迎え、新EP収録のR&Bテイストの強い“Supremacy”を披露。

ジェイソンとErica Silvaが向き合って歌い上げる光景はピースフルな空気に包まれていた。ライブも後半に差し掛かり、遂に“Burn It”がここで炸裂。豪快なギター・リフに加え、ジェイソンが高らかに歌い上げるサビの高揚感は何度聴いても鳥肌が立ってしまう。後半はマイクを口にくわえたままシャウトしたりと、相変わらずのクレイジーっぷりも垣間見せていた。  

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一度メンバーはカメラの前から消えた後、アンコールに応えるように再度登場。キャッチーな歌メロが映える“Presence Is Strength”(本当にかっこ良かった!)、ラストは“Hunting Season”で締め括る。ステファンはジャンプしながらギターを刻み、ジェイソンはマイクスタンドを頭上に持ち上げ、コードから垂れるマイクにブチ切れたシャウトをかまし、最後までハードコア衝動振り撒く全力疾走を魅せ、ようやくライブは終了。

新EPからは3曲プレイするのみに止まったが(“For The Record”も聴きたかった!)、間違った世代(=『WRONG GENERATION』)に向けて、ジェイソンの怒りは今やマックスに到達していると言っていい。制御不能のエモーションを大爆発させ、また、MCでも視聴者に真摯に語りかける様は胸に響くものがあった。

世の中の不平等に毅然と立ち向かい、自らの音楽を通して「反逆」の意志を表明し続けるフィーバー333。ストリートの映し鏡としての音楽、つまりレベル・ミュージックの炎を最火力にした彼らのサウンドは、今絶対に観ておくべきものだ。今回のグローバル・ライブストリーム・ツアーは全世界に訴えることがあるんだ、というフィーバー333なりのステートメントである。しかと受け止めてほしい。(荒金良介)          

明日 10/27(火)PM18:00から、日本&シドニーに向けたLive Streaming を実施。以下のVeepsサイトよりチケットが販売中。
https://fever333.veeps.com/stream/events/fc6cbd025b2a       



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