過去数年元気のいい南ロンドンのインディバンド生態系は、①その数の多さ②若さ③多彩さゆえにどこか学校を思わせる。ブラック・ミディやBC,NRが秀才ぞろいの優等生組とすれば、ファット・ホワイト・ファミリーはさしずめ不良チーム? そんな賑やかな校内で怪気炎をあげている5人組が、9月にアルバムデビューを控え、12月に初来日も決定したファット・ドッグだ。
人を食ったバンド名、犬のマスクや各種コスチューム、芝居っけ。パンク、EDM、民族音楽、フリー・ジャズをごたまぜるダイナミックなサウンド。ユーモラスなカリスマと雑食性な音楽で行く先々で旋風を巻き起こし、今最も熱いUKライブアクトと目される。
ロッキング・オン9月号の「気になるあいつ」に早速登場と相成り、クリス・ヒューズ(Synth/Key)とモーガン・ウォレス(Sax/Key)に取材いたしました。喧騒のライブで知られるだけに、どんな人々なのか?――と思っていたが、狂犬(Mad Dog)でも悪犬(Bad Dog)でもない、気さくで楽しい若衆だった。しかし、日本の音楽では坂本慎太郎や細野晴臣、Bo Ningenが好きだと話してくれたクリス、なぜか雅楽(!)も勉強したことがあるという。やっぱり、変わってる……。異彩を放つ彼らの発言、ぜひご注目ください。 (坂本麻里子)
ファット・ドッグの記事が掲載されるロッキング・オン9月号