《ロックンロールと君が/ずっと好きだ》(“ばかもののすべて”)という青臭くてピュアな想い。ただ、そんな綺麗事だけの世界ではないことは、彼らが一番知っている。《あのバンドが売れたのは/ただ運が良かったからって/酔って知らねえ誰かにくだをまく》《酒とくだらねえ俺に吐き気がする》(“ここじゃないけどいまなんだ”)とフラストレーションと絶望感を吐き出しながらも、《ばか、ばか、ばか、ばかだから僕はいけるんだ》(“ばかもののすべて”)と、何かが吹っ切れたような自信を漲らせる。
現実や己ととことん向き合い、囚われていた様々なノイズを削ぎ落としたからこそ得た、ロックの普遍性が本作には宿っている。真っ向勝負を挑んでも、劇画調の馬と鹿のジャケットには思わずニヤリとしてしまうが、そんなフェイクっぷりと不器用さこそが忘れらんねえよだ。だからこそ、愛おしい。(岡崎咲子)