昨年10月に行われた10周年記念ライヴ2日間の映像。1日目はロック中心の「Rockin’ ZOO」、2日目はポップ主体の「Poppin’ PARK」として、のべ50曲が歌われた。ダブりは2曲のみ。両日で色あいを変えたわけだが、木村カエラのステージにおいてロックとポップは別ものではない。同じコインの裏表である。だから、ギター・リフが軸となる“リルラ リルハ”が、ポップの日に振り分けられていても、特に違和感はない。
カエラは2日ともMCで、ほぼ同じバンドメンバーとずっと一緒にやってきたことを語る。彼女のポップ面を代表する“Butterfly”も、ライヴの音色はスタジオ録音とはやや趣が異なり、ロックバンドのバラードになっている。“Jasper”のようなダンサブルな曲も、打ち込みは一部に限られ、バンド演奏によって成立している。ロックの元気よさとポップのしなやかさを持つ木村カエラというヴォーカリストの両面を、バンドが一体となって表現する。横浜アリーナの2デイズは、そんな10年間のライヴ活動の集大成だった。思いがあふれた彼女の笑顔と涙が印象的。(遠藤利明)
ロックでポップ
木村カエラ『KAELA presents GO!GO! KAELAND 2014 -10years anniversary-』
2015年03月04日発売
2015年03月04日発売
DVD