好対照な2バンド

KANA-BOON×シナリオアート『talking/ナナヒツジ』
発売中
SINGLE
KANA-BOON×シナリオアート talking/ナナヒツジ
森博嗣の理系ミステリ小説『すべてがFになる』のアニメ版のオープニングテーマ(KANA-BOON)と、エンディングテーマ(シナリオアート)を収録したスプリットシングル。2バンドには、どちらも2012年のキューン20イヤーズオーディションをきっかけにメジャーデビューしたという縁がある。

KANA-BOON“talking”はインディーズ時代からあった曲だが、「頭の中のフィクション」が「目の前のノンフィクション」になることを歌った点で、もともと物語的な内容だったといえる。ベースのリフから始まるちょっとファンキーな曲調で、腰にくる力強さがある。一方、シナリオアート“ナナヒツジ”は、リズムにいろいろ変化をつけるなど、パズルのように構成に凝っている。今回のタイアップ用に書いただけあって、男女ツインヴォーカルが探偵役の教授&女子学生の関係を連想させるほか、「正義」、「正解」といった言葉の選択など、ミステリ作品らしい曲になっている。情と肉体性のKANA-BOONと、知的に構築されたシナリオアートという対比。これは好勝負だし、いい企画だ。(遠藤利明)
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