聴くたびに愛着が増してくる

きのこ帝国『タイム・ラプス』
2018年09月12日発売
ALBUM
きのこ帝国 タイム・ラプス
きのこ帝国の作品を聴くことは至福の喜びである。毎回次はどう来るのかと青写真を描くのだけれど、いい意味でそれを裏切ってくれる。前作『愛のゆくえ』はある種研ぎ澄まされた歌と音色が印象的で、それはそれで愛聴させてもらった。約1年10ヶ月ぶりに届いたメジャー3rdアルバムを聴き、またしてもいい意味で裏切られてしまった。結成10周年という節目を迎え、ヘンな気負いは今作にはなく、自然体でニュートラルなポジションから繰り出された楽曲群が並ぶ。こう聴いてほしい!という強い主張よりも、あなたが思うように聴いてください、とリスナーに委ねるような表現手法が多い。結果、様々な感情、多彩な曲調が揃う形となり、風通しのいい作風になっている。冒頭曲"WHY"や、疾走感溢れる"Thanatos"辺りに顕著だが、バンド感は過去最高と言えるほど強い。かと思えば、TVドラマのエンディングに似合いそうな"傘"の歌謡性も特筆すべきだし、メロディの美しさに引き込まれる“LIKE OUR LIFE”も実にいい。手の届く範囲に置き、朝昼夜構わずに繰り返し聴きたくなる傑作である。(荒金良介)
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