“ナズらしさ”の復権

ナズ『KING’S DISEASE』
発売中
ALBUM
ナズ KING’S DISEASE

1994年の永遠のヒップホップ名盤『イルマティック』でおなじみのナズ。2010年代はアルバム発表のペースがガクッと落ち込んで、少し心配もしていたのだけど、ここ2〜3年でまた創作意欲がぐっと上がってきているようで、なによりである。40代後半、まだまだ老け込む年齢でもないだろう。

本作は、そんなナズにとって通算13枚目となるオリジナル・アルバム。カニエ・ウェストがプロデュースを手がけたことで大きな話題となりながら、いざフタを開けてみると実際の中身はかなりビミョーだった前作『ナシール』以来、約2年ぶりの新作となる。おそらく、その前作の反省点を踏まえてのことなのだろう、今回は総合プロデューサーに実績十分&最新のサウンドにも長けたヒットボーイを招致。ここ15年くらいのナズのアルバムの中では、一番タイトに引き締まった構成に仕上がった。相変わらずの人種差別がはびこる現代のアメリカ社会で、黒人の若者はいかにして「一人前の大人」に成長できるのか。『イルマティック』から25年以上過ぎた今なお、ナズはその答えを探し続けている。

そして、オールドスクールなニューヨーク・ラップ好きにとって聴き逃せないのは、10曲目の“Full Circle”。ここではなんと、90年代半ばに結成されたラップ・スーパーグループ、その名もザ・ファームのメンバーたちが再集結しているのだ。AZに、コーメガに、フォクシー・ブラウンに、そしてラストにノン・クレジットで登場する“ボス”は、オリジナルのプロデューサーであったドクター・ドレー! 一時期はディスり合う関係にまでなっていた仲間が、みんな少しだけ大人になって、再び集うことの歓喜。フル・サークルとは、そういうことだ。祭りだ、祭りだ! (内瀬戸久司)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。
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ナズ KING’S DISEASE - 『rockin'on』2020年11月号『rockin'on』2020年11月号
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