結成25周年イヤーとして突っ走っているMUCCが、2022年の締め括りとしてリリースした『新世界 別巻』。タイトル通り、最新アルバム『新世界』制作時にアウトテイクとなった楽曲など7曲が収録されている。KORNばりのヘヴィリフで始まる“猿轡”、アンビエントなダブチューン“別世界”、アッパーな王道ロック“SLAVE”、逹瑯の歌声が胸に沁みるピアノバラード“終の行方”など、アルバムの延長線上にある多彩な楽曲が並び、MUCCが切り拓く「新世界」にまだまだこれだけの景色が広がっていたことに驚かされる。
中でも注目すべきは“空 -ku- (Mixed by Miya)”。2003年リリースの『是空』と2004年リリースの『朽木の灯』を再現するライブツアーを敢行するにあたり、バンド自ら当時の空気を意識して作ったという一曲だ。00年代初頭の荒削りなヘヴィネスと哀愁に、現在の彼らの表現力が融合し、贅沢なセルフリバイバルが実現している。2023年はさらに再現ツアーが開催されるということで、過去の自分たちからの刺激が「新世界」にどう作用するか楽しみだ。(後藤寛子)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より)
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