デビュー25周年にあたる2022年に行った、アリーナツアーのファイナル（横浜アリーナ）と追加公演（さいたまスーパーアリーナ）、セットリストの異なる2本が映像作品として同時リリースされる。前者は特典映像として、ツアー各地で限定的に演奏された5曲も収録。で、後者には、本編のうちの6曲が「Visual Art Edition」として特別収録されている。って何。現代美術家の松山智一と共に最新アルバムとこのツアーのアートディレクションを担当したファンタジスタ歌磨呂によって、その6曲のライブ映像に、アニメーションやモーショングラフィックスが加えられたものです。どうでしょう。よくわからないでしょう。観るとわかります、「うわ、こういうことか！」と。ファイナルが終わって約10日後に違う内容の追加公演をやることも、それを映像化する際にこんなに手を加えることも、「これなら両方観るでしょ、両方買うでしょ」という商魂だけとは思えない。「暴走するサービス精神」とか言いたくなる、病レベルの過剰なものを感じる。ってそれ、ゆずから常に感じてきたことだけど、でも今回も脱帽。（兵庫慎司）

（『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より）

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