もっとも風化してない80s

アイアン・メイデン『時空の覇者』
2008年05月14日発売
アイアン・メイデン 時空の覇者 - 時空の覇者時空の覇者
既に日本公演は2月に行われたが、現在、黄金期のメンツ(+ヤニック・ガーズ)で、初期7枚縛りというファン泣かせのセットリストを連発するという世界ツアー真っ最中のアイアン・メイデン。そんなメタル史に残る一大イベントに合わせてリリースされるのが、このベスト盤。『時空の覇者』という、これまたメイデンらしい物々しい邦題が付けられた本作も、もちろん初期7枚縛り(最初の2枚からの選曲は、ライブ盤『死霊復活』から収録されていて、初代ボーカルのポール・ディアノの存在が抹消されているのが笑える)。まあ、メタル的には“HELL YEAH!”な鉄壁なセレクションなわけだが、これを聴いて驚くのは、たとえばrockin\'on 2008年6月号の『ロック・グレイツ』で取り上げているデュラン・デュランみたいに、今聴くとノスタルジアしか湧いてこない“普通”の80sのビッグ・バンドとは違い、まったく風化していないこと。要するにメイデンが長年かけて構築したメタルの様式美は、今でもしっかりと伝統的に受け継がれているということなのである(たとえ、今となってはそれが局地的であろうと)。それにはもう“HELL YEAH!”と言うしかない。(内田亮)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする