未だ見ぬ明日に3月にリリースされたアルバム『ワールド ワールド ワールド』とほぼ同時期に制作されたという6曲が収録されたミニアルバム。アルバムと同じく、ポップで抜けの良い曲が並ぶ。しかし、力強いオープニング曲、“ワールド ワールド ワールド”というインストから始まり、《世界! 世界! 世界!》という高らかな宣言で終わるという、太い軸が真ん中に通っていたアルバムとは違い、1曲1曲が自由なムードを放っている。ストレートにシンプルなロックを鳴らすことへの衝動/喜びではなく、実験的なサウンド・アプローチにあふれている。無邪気な探究心を感じる、幅広い楽曲バリエーション。制作意欲が気持ち良く漲っていた時期だったことが、改めてわかる。後藤の歌詞のモチーフも自由だ。
《一瞬さ 僕らの命など/出発のベルが鳴ってドアは閉じるのだろう/消えぬ僕らの醜さも/此処に刻むように 誰よりも深い呼吸を》(“深呼吸”)。
しかしやはり、自身のダークサイドとの対峙が、力強い言葉と晴れやかな歌となって吐き出されている。この裸の叫びが、アルバムと同様に心を突き刺す。軽やかな実験心と強い言葉が宿る快作。(小松香里)