目の覚めるようなバンドだ。夏フェス・ガイドの稿でも、是非観ていただきたいと書いたNY出身の人種混交5ピース激烈ハードコア、セレブラル・ボールジー。彼らのファースト・フル・アルバムが本作になる。日本盤にはボーナス・トラックが3曲入る予定だし、2CDの限定盤もリリースされるが、本編は12曲20分弱。短っ。けど、これで充分。なぜホット・チップやドラムスを輩出した「もしもしレコーズ」が初のハードコア・バンドとして彼らと契約したのか。なぜリック・ルービンはいち早く彼らのライブに駆けつけたのか。あの『NME』がNYのハードコア・バンドにどうしてこんなに盛り上がっているのか。それは本作を聴けば分かる。本物なのだ。別に音楽性が新しいわけじゃない。いわゆる80年代後半のスケート・スラッシュ/ハードコアがベースになっている。しかし、その音には今これをかます確信が満ち満ちている。こういう出会いがハードコアにはある。
ライブの現場は喧嘩上等、インタビューも人を喰った調子で、その確信がどこから来るものかはまだ分からない。でもNYからこんなバンドが出てきたのが嬉しい。(古川琢也)
ジャケはソニック・ユース『グー』のあの人
セレブラル・ボールジー『セレブラル・ボールジー』
2011年07月20日発売
2011年07月20日発売
ALBUM