それこそ最新アルバム『Shout to the Walls!』で獲得した表現のキャパシティを1曲の中に全開放するように、静謐と躍動、灼熱のエモーションと冷徹な妖気が弾け回る、『Shout～』後初のシングル曲“ニワカ雨ニモ負ケズ”。先を競うように性急に駆け出すビートとリフが《君が笑った　明日は雨かい？》というサビで目映くスパークし、間奏でのサイケデリックなアンサンブルの森を抜けた先には多幸感そのもののコーラスが咲き乱れ……というジェットコースターのような目まぐるしい展開はしかし、目先の変化を求めたギミックではなく、そのサウンドとストーリーが一丸となって生み出すドラマ性によって、最終的に誰も見たことのない高みへ昇り詰めたい！　という光村龍哉ら4人の闘争心の表れである――ということが、《君とじゃなくちゃ未来は渇いてしまうのかも／急げ　きっと今を笑って行く》と歌い上げるラスト・シーンからもリアルに伝わってくる。スリリングで強靭な「NICOの新次元」を如実に物語る、キラー・アンセム化必至の名曲。カップリングのMISIA“陽のあたる場所”の陽性カヴァーも爽快。（高橋智樹）