ジ・オーブ版のアンビエント~プログレ現在地更新というニュアンスが強かった前作『メタリック・スフィアーズ』から約1年。新作『C BATTER C』は17分間のアート・フィルム作品『Battersea Bunches』のサントラであ…
4年も待たされていた、フレンチ・エレクトロ界の実力者、サーキンのデビュー・アルバムが到着した。ヴォーカル・カットアップのセンスとディストーションの効いたシンセを駆使したその仕事ぶりが強烈なEPと共に、…
自分の幼い頃の記憶をひもといていくと、ひどく混沌としている時期がある。たぶん4~5歳くらい、「自分がどこからやってきたのか」という問いが急に胸の中に分厚い雨雲のように湧き上がって、同時期に奇妙な夢を繰…
ニュージーランドのチャートを席巻したフォーク・ユニットのデビュー・アルバムが本作。もともとはユニットの中心的存在であるデイヴ・バクスターのファースト・ソロ・シングル“ラヴ・ラヴ・ラヴ~世界のあいこと…
リンゴとネコとスペクタクルとオーケストラが合体したバンド名! もうこれだけでワクワクしてこないか? デビュー前からメディアや音楽ファンの間で熱い注目を集めているApplicat Spectra。関西発の4ピースバン…
さすが、というべきなのだろう。『狂気』の“コレクターズ・ボックス”がえらい勢いで売れている。たしかにあの内容、音質であれば長年のファンでなくとも触指が動くのも当然で、次に用意されたこの『炎』の“コレ…
今年の6月に公開された是枝裕和監督の映画『奇跡』のサウンドトラック盤。主題歌“奇跡”、挿入歌“最終列車”“鹿児島おはら節”の他、劇中で使用された14曲のインストゥルメンタルが収録されている。両親の離婚…
2年前に発表した前作で、黄金期モータウンやフィリー・ソウルの洗練されたポップネス~ムードを再構築して話題を呼んだ(モーター・タウンことデトロイト出身との来歴も泣かせる)、新手のブルー・アイド・ソウル…
《何も要らない私が今/本当に欲しいもの等/唯一つ、唯一つだけ》という言葉をそのまま音像化したかのように、ハープとストリングスを軸にして描き出される高純度なサウンドスケープ。Aメロとかサビとかいうテン…
極めて難解なデヴィッド・リンチの映画がポップな人気を誇るのは、たとえ解読できなくてもめっぽう面白いからだ。そして音楽は彼の映画の中でも、暗示的で官能的で、いつも重要な役割を果たしてきた。これは彼が「…
この1枚を聴いて、なんだか勇気付けられてしまった。「音楽を鳴らす!」という無骨なほどの衝動の塊×12。しかもそれが衝動に留まらず、独自の表現としてしっかりと成立し、ワクワクさせてくれる。音楽サイト「RO6…
すさまじい作品である。シガー・ロスというバンドの底知れぬ魔力をこのライヴ・アルアムは余すところなく提示している。『残響』(2008年)ツアー終盤のロンドン公演の模様を収録したもので、CDは公演のほぼ全編を…
いよいよニューアルバム発表が迫るPerfumeの、その先駆けとなるシングル。10月からTVドラマ『専業主婦探偵~私はシャドウ』のテーマ曲として使用される表題曲は、BPMが110程のややゆったりめなトラック。中田ヤス…
近頃こんなに話題になった共演はないと言えるだろう。だが両者のこれまでの活動を顧みれば、いざ実現してみれば納得の組み合わせではある。音もそれにふさわしい堂々たる力作だ。 とはいえ、制作の経緯からみて…
すごい。轟々と噴き上げる激情をタフでドラマチックなメロディに焼きつけたタイトル曲“その向こうへ”は間違いなく、10-FEET史上最も「泣いて」いる曲だ。彼らがたくさん届けてくれた「泣ける」曲ではない。どう…
かつて《わかったようにアタシのこと話すのはやめてよ》(“How crazy”)とナイーヴな衝動を封じ込めた2ndアルバムを『CAN'T BUY MY LOVE』と名付けていた通り、YUIにとって音楽とは、「自分」の感情と物語を歌に…
いつになくメガデスの「バンド感」が前面に出たアルバムだ。再結成以降長らく続いてきた「デイヴ・ムステイン=メガデス」状態がオリジナル・ベーシストであるデイヴ・エレフソンの復帰によって終わりを告げたこと…
ギター、ベース、ドラムという簡素な編成から圧倒的な奥行き、濃厚なグルーヴを生み出すPrague。その持ち味を一層磨き上げつつ、新鮮なエッセンスを添加したのが、この2ndアルバムだ。まず、何と言ってもこの3人の…
マニックスの20年の歴史は、階級闘争の歴史であると同時に、アイデンティティ探しの旅であり、長らく続くモラトリアムな青春の彷徨そのものだった。アルバム毎に大仰でセンチメンタルなメロドラマ性と、冷たく鋭い…
全国流通音源を1枚しかリリースしていなかったにもかかわらず、ワンマンは毎回完売、2年連続サマソニ出演と、既に各方面から熱い注目を集めている「オバ犬」ことOverTheDogs。亀田誠治、佐久間正英、いしわたり淳…
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