翼が黒いのは、自らが求める新しい光に向かって突き進んでいるから――その直向きで頼もしい鳥の姿は、音楽人生という長い旅をし続けるバンドの生き様と重なる。新体制初の楽曲は、その人生で育んだ哲学を明確に示…
クリスチャンでビーガンのパンク・ロッカーとしてスタートを切りながら、レイヴと出会ってダンス/エレクトロニック路線に転向し享楽の限りを尽くした人だから、キャリアの急旋回は初めてではないが、ここにきて…
いわゆる「絶対的名盤」である。歴史的な重要度、音楽的な完成度、楽曲の質の高さなど、すべてを兼ね備えた完璧な作品。ニール・ヤングが参加した曲はアルバムの半分のみ、個性も主張も強い各メンバーのソロを集…
ギャング・オブ・フォーのデビュー作『エンターテイメント』のインパクトは強烈だった。ポスト・パンクを代表する同作は、ファンク、パンク、ダブの融合であり、なによりもアンディ・ギルのギターが革新的だった…
緻密に構築したグルーヴが暴れまわる“阿”から、凛としつつも涙腺を打つ亀井印の美メロが炸裂する“さみだれ”へと連なる並びがごく自然に収まっていることが象徴的だが、本作においてはこれまで彼らが得てきたス…
アニメ、テレビ番組、企業タイアップ等の「発注ありきで作った曲」をまとめた『OT WORKS』を、岡崎体育がリリースしたのは、ブレイクへの階段を駆け上がっていた2018年4月。3年後に、こうしてその『Ⅱ』がリリース…
約1年で2作のアルバムをリリースし、まだまだ止まらないXIIXの配信シングルは、ポップの領域に挑戦した2ndアルバム『USELESS』のさらに進化形と言える爽快な1曲。90年代に人気を博した『ドラゴンクエスト ダイの大…
“ドライバーズ・ライセンス”の記録的なヒットで旋風を巻き起こしたオリヴィア・ロドリゴだが、勢いの衰えぬままリリースされたデビュー作である。今年もっとも話題のポップ・アルバムとなることは間違いないだ…
もちろん十分期待はしていたのだが、予想をはるかに超えた全体のスケール感に正直驚いた。疫禍に世界が苦しむこんなときだからこそとの決意が見られる各ジャンルの良作に交ざって、美しく強靭な創造の剣を振るっ…
まだ10代だった2017年に“I Wanna Be Your Girlfriend”をオンライン上で発表。メランコリックで白昼夢的なベッドルーム・サウンドにのせて自らのセクシュアリティをオープンにし切ない恋心を綴ったこの曲で、Z世…
このシングルを聴いて、あらためて『ROMANCE』というアルバムは宮本浩次にとって、とてつもなく大きな作品だったのだなあと思った。あのカバーアルバムでどうしようもないほどむき出しになっている宮本の歌、そこ…
結成15周年イヤーを迎えたSCANDALが放つ2021年第2弾シングル。第1弾『eternal』がデジタルとバンドサウンドを融合した表題曲&TOWA TEIによるリミックス収録という挑戦的なアプローチだったのに対し、今作は完全に…
TVドラマ『にじいろカルテ』主題歌“旅路”に続き、Honda「VEZEL e:HEV」のCM曲として書き下ろされたシングル曲。この2021年に発表された2曲は、少なくとも僕の中で藤井 風というミュージシャンに抱いていたイメー…
2018年11月9日、ロンドンのアレクサンドラ・パレスで行われたニュー・オーダーのライブを、2枚組のCDとBlu-rayにパッケージしたライブ盤。CDには21曲が収められており、途切れることがないバンドとオーディエンス…
ノエル・ギャラガーがハイ・フライング・バーズを率いてソロ・キャリアに乗り出してからの10周年を記念するベスト・アルバム。あの衝撃的なオアシス解散の後、ひたすらマイペースを貫きながら、絶賛を一身に集め…
EDMの世界では多くの若者が成功を勝ち取ってきたが、若さゆえのテンションで生き急ぐあまり、その後の人生を見誤った例も少なくない。神童と呼ばれてきたポーター・ロビンソンも、この数年間は制作のプレッシャー…
「堰を切ったように」というのはまさにこういうことなのだろう、とアイナ・ジ・エンドの活動を見ていると思う。3月3日のEP『内緒』、A_oとしての“BLUE SOULS”、客演やカバーなども含めればもっと。そしてこの“…
約2年7ヶ月ぶりの6作目である。プロデュースは前作に引き続きタイラー・ジョセフとポール・ミーニー(ミュートマス)、前々作『ブラーリーフェイス』を手がけたマイク・エリゾンド、さらにベックやアデル、シーア…
登場時は恐るべき子どもたちと呼ばれたザ・コーラルもすっかりベテランとなり、彼らがずっと参照していた60年代サイケ・フォークのカタログへのアクセスも「若いのに渋い嗜好」というより、もはや求道的な様相に…
2作目の呪縛というものがある。デビューに至るまでの間にライブの場などで磨き上げた楽曲を使った1作目が成功すればするほど、次に用意される豪華な環境とそれに比例する曲作りへのプレッシャーに押し潰された結…
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