メンバーが会場に到着したのは、開演30分前の14時半。既にセットアップした姿で楽屋に現れた4人、今日の衣装は黒でまとめたシックなスタイルだ。早速メンバーに声をかけるとNakajinからは「あ、またいる(笑)」と突っ込まれる。実は前日の「ミュージックステーション」の収録にもお邪魔していて、彼らに会うのは半日ぶり。屈伸して体をほぐしながら「人前でのライブ、結構久しぶりだなあ」と呟くNakajin。ライブそのものは昨年11月に横浜アリーナで行われた「ミュージックドラゴン LIVE 2014」以来、しかも野外ということであれば、それこそ10月の「TOKYO FANTASY」以来だ。Nakajinの隣で「いやあ、緊張するなあー」と言ってレッドブルを飲み干すのはDJ LOVE。なぜか「瞑想する!」と宣言し、いびきをかきながら、寝たふりをして場を和ませるLOVE、さすがである。 廊下にあるストーブの前で暖を取っていたのはSaori。軽く立ち話をしていると、そこにFukaseが現れて「Saoriちゃん、(楽屋の)中のほうが暖かいよ」と優しい言葉をかけてくる。なんともセカオワらしい時間がこうして流れていくのだ。
Nakajin「どうも、こんにちは。SEKAI NO OWARIです! こんなにたくさん集まってくれてありがとう!」
Fukase「寒かったでしょ?」
Nakajin「Fukaseさんも最近、体調がね?」
Fukase「そう。最近まで39度の熱がありまして」
Nakajin「僕もね、昨日『ミュージックステーション』に出たんですけど、点滴打ってたんですよ。ウイルス性胃腸にかかってしまい。今日は大丈夫なんですけどね。皆さんは元気ですか?」
続いてMCを担当するのはSaori。「アルバムを出しまして、私も何曲か作詞をしたんですけど、次は私とFukaseのふたりで作詞をした曲です。何だかわかりますか? ふたりで喧嘩して一緒に作った曲です。歌ってください!ーー“RPG”」。イントロから一斉に起こるハンドクラップ。そして彼らのNO.1アンセムになった理由のひとつ、サビの名フレーズが炸裂する。横道をたまたま通りかかった老若男女も、この曲のメロディはどこかで聞いたことがあるかもしれない。この日のクライマックスであった。
翌日の大阪に移動するため、楽屋に戻った彼らは息つく間もなく、メンバー車に乗り込もうとするのだが、少しでもその姿を目に焼き付けようと、寒空の中で出待ちをしているファンの声援にもしっかりと応えていた。休日の渋谷に現れた、今や日本のポップミュージックを牽引する4人は、確かな手応えを残して西へと向かう。 『Tree』の余波は、これからも列島全体へと広がって行くだろう。(徳山弘基)
■セットリスト
01.炎と森のカーニバル
02.スノーマジックファンタジー
03.マーメイドラプソディー
04.RPG
05.Dragon Night