ザ・クロマニヨンズ@新木場STUDIO COAST

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「新木場スタジオコーストにお集まりの人間の皆さま、こんばんは!」という恒例の前説MCで幕を開け、全23曲をただひたすらに叩きつけた100分間。アルバムツアーとして新作『GUMBO INFERNO』の曲を全部やった以外は、特に目立ったトピックや演出はなし。というスタイルのライヴを既に50本以上も続けてきたにも拘らず、マンネリとか色褪せるとかいう言葉とは無縁の、この弾けるような熱狂はなんなのか。というか、これを常にやってのけるのがザ・クロマニヨンズの凄さなのだということを、改めて痛感させられた夜だった。

昨年10月にスタートした全国ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR ガンボ インフェルノ 2014-2015」の59本目にして、セミ・ファイナルとなる新木場STUDIO COAST公演。本ツアーで東京を訪れるのは4回目となるが、この日もギッチギチのオーディエンスが詰めかけている。そして「GUMBO INFERNO」の看板が掲げられたステージに、真島昌利(G)、桐田勝治(Dr)、小林勝(B)、甲本ヒロト(Vo)の4人が登場。冒頭の“旅立ちはネアンデルタール”から、爆音ながらタイトに引き締まったサウンドをブチかましていく。“流行のクルマ”では、《好き嫌いじゃない いい悪いじゃない/流行のクルマに 乗っかってるだけ》という皮肉交じりの歌で盛大なシンガロングを誘引。“ウォルターに一撃!”“ダイナマイト・ブルース”の連打では、鋭いリフとヒロトのブルース・ハープの音色がスリリングに絡み合い、フロアの拳を無尽蔵に突き上げさせていった。

ザ・クロマニヨンズ@新木場STUDIO COAST
「よう来てくれた。ここに来るまで何があったか知らんけど、よう辿り着いたな!」というヒロトらしい優しさに満ちたMCの後は、“ルル”“原始力自転車”“犬の夢”“キスまでいける”とミドル・テンポのアルバム収録曲群を披露。重厚感あるサウンドと牧歌的な歌詞が相まって、奥深い情景を描いていくさまもまた、彼らのライヴの醍醐味である。美しいハーモニーも冴えわたり、ロマンチックなムードを場内いっぱいに広げていくといった具合だ。

しかしTシャツを脱いだヒロトが「最後までブッ飛ばしていくぞ!」と告げた後は、クライマックスへ向けて猛ダッシュ。点滅するライトの下でダイナミックなグルーヴがうねりまくった“スパーク!”、白煙を上げながらフルスロットルで突き進むような“ドードードドードー”、エモーショナルなメロディが響きわたった“孤独の化身”と畳み掛け、最新アルバムのレパートリーを完遂させる。そして“エイトビート”“紙飛行機”“突撃ロック”と往年のナンバーから近年までを駆け抜けて、あっという間にラストの“ナンバーワン野郎!”へ。贅肉ひとつない上半身を晒したヒロトが果敢に煽り立てる中、モッシュとダイブとシンガロングに溢れ返るフロアに絶頂の時が訪れて、豪快なクライマックスを立ち上げてしまった。

ザ・クロマニヨンズ@新木場STUDIO COAST
アンコールでは、シングル『キスまでいける』のカップリング曲“突風野郎~愛のテーマ~”を披露。さらに“底なしブルー”で切れ味鋭いサウンドを燃え上がらせると、ラストを飾ったのは、名刺代わりの一曲“クロマニヨン・ストンプ”。マーシーの強烈な絶叫とともに「人間! 人間!」という一丸のコールで巨大な柱をブチ立てて、ステージを締め括った。8ビートのロックンロールに快感とロマンとアイロニーの全てを詰め込んで、この日も天高く打ち放ってみせたザ・クロマニヨンズ。その潔いまでにシンプルな闘い方を貫きながら、これほどのお客さんを熱狂させ続けているって、本当に凄いことだ。これからも彼らはコンスタントにアルバムを作り、長丁場のツアーを繰り返すことで、その音楽の純度をみるみる上げていくことだろう。月並みな言葉で申し訳ないが、こんなバンドは他にはいない。(齋藤美穂)

■セットリスト

01.旅立ちはネアンデルタール
02.流行のクルマ
03.炎
04.ゴーゴーゴー
05.ウォルターに一撃!
06.ダイナマイト・ブルース
07.B & K
08.欲望ジャック
09.ゴー ゲバ ゴー
10.ルル
11.原始力自転車
12.犬の夢
13.キスまでいける
14.スパーク!
15.ドードードドードー
16.孤独の化身
17.エイトビート
18.紙飛行機
19.突撃ロック
20.ナンバーワン野郎!

(encore)
21.突風野郎~愛のテーマ~
22.底なしブルー
23.クロマニヨン・ストンプ
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