主催者自らオープニングアクト兼ヘッドライナーを務め、さらにほかの出演者のステージにメンバーが飛び入りする大車輪の奮闘ぶりで、頭が下がる思いだった。いや、それだけLUNA SEAがこのフェスに賭ける思い、願い、祈りは、想像以上に広くて深くてとてつもなく濃かったと言えるだろう。その熱量にしっかり応える各出演者、高まる期待を胸に集まった観客で埋め尽くされた幕張メッセの活気といい、どれ一つ欠けても成り立たないイベントになった。
バンド結成25周年という節目を迎え、LUNA SEA主催による初のロックフェス「LUNATIC FEST.」が幕張メッセ2DAYSで開催された。ここでは最終日・2日目の模様を書き記したい。会場に入ると、「MOON」、「FATE」、「SHINE」と3ステージ設けられ、タイムテーブルは10分間隔で空く形となり、時間の被りなく全アクトを体感できる。しかも3つのホールをぶち抜いて使用しているため、場内の真ん中あたりに立って体の向きを変えるだけで3ステージを眺められるただっ広さ。
ロックの歴史軸から自分たちの歩みを見返し、バンド主催でありながら、これだけ多彩な出演者が集まったフェスも稀だろう。結成25周年という節目も大きいだろうが、先達への敬意、同時代を生きた戦友、未来を担うバンドたちに対する深いリスペクトを滲ませ、日本の音楽シーンの「縮図」となった濃厚すぎる2日間が盛大に幕を閉じた。ここからまた新たな歴史が作られる……そう期待せずにはいられないフェスだった。(荒金良介)