ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール

ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール - All photo by 高田 梓All photo by 高田 梓
●セットリスト
1.人魚
2.テレキャスター・ストライプ
3.ハルシオン
4.ミドリ
5.ベニクラゲ
6.フレミング
7.ポルカドット・スティングレイ
8.本日未明
9.夜明けのオレンジ
10.顔も覚えてない
11.エレクトリック・パブリック

-ENCORE-
1.シンクロニシカ
2.極楽灯
3.レム



ポルカドットスティングレイのライブは、いつもはどちらかというとフロア前方に男性ファンが多い印象で、女子はそのまわりで背伸びをしながらステージを見るという構図になりがちだった。そうした光景をステージから見ていた雫(Vo・G)が「女子限定」でライブを行うことを宣言したのが今年7月末。その公約通り、9月16日、原宿アストロホールで「ポルフェス13 "半泣き黒猫団女子団員ワンマン"」が行われた。チケットはソールドアウト。会場は女子しかいないということもあって、みんな遠慮なくどんどん前へ前へと進んでいき、かなり人口密度の高いフロアでメンバーの登場を待つ。

この日のメンバーは全員が少しかしこまった衣装で登場。エジマハルシ(G)とウエムラユウキ(B)は黒いジャケットで、ミツヤスカズマ(Dr)も蝶ネクタイ着用。雫はボーイッシュなショートヘアに、メンズライクなジャケットがよく似合う。登場するなり観客の文字通りの「黄色い声」が飛び、歓声はなかなか途切れない。いやほんとにすごいボリュームの歓声だった。

今日は、「お嬢様方」を出迎える「執事たち」というコンセプトの衣装だったようで、「手始めに、お嬢様方を夜の蝶に変えましょう」と、怪しげな雰囲気たっぷりのギターイントロから“人魚”でライブはスタート。続く2曲目には、早くもキラーチューン“テレキャスター・ストライプ”へ。この時点でもう、このライブの盛り上がりは約束されたようなものだった。サビのシンガロングがありえないくらいの声量。《嗚呼、テレキャスター・ストライプ》のフレーズを、雫とオーディエンスとでコール&レスポンスしていくと、その声はどこまでも大きくなっていき、雫も思わず「素晴らしいな、今日は。もう私は死んでもいいよ」とつぶやくほど。そう、この時の全員の声の重なり具合と音量は、その場にいてゾクゾクするほどだった。

ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール

「女子人気が高いと思われる曲を」と言って“ミドリ”のイントロが始まると、悲鳴のような歓声が上がった。「恋愛ソングが苦手で」と語っていた雫だが、捻じれた恋心や苛立ちが静かに積もっていくようなこの歌詞は、確かに女子の心を掴む。低音でグサリと響くようなボーカルも、この日は一段と強く突き刺さって、フロアはすっかりポルカワールドに飲み込まれてしまう。そして、爽やかファンキーなギターカッティングが印象的な“フレミング”(ライブでは度々披露されていながらまだ音源化されていない名曲)では、フロアの女子団員の動きもとても軽やかで、なんというか、ほんとに今日は会場にいる全員でライブの空気を作っていっているような気がした。次に「バンドを結成して一番最初に作った、名刺みたいな曲」“ポルカドット・スティングレイ”。そのエンディングから、本当ならそのままミツヤスのドラムカウントで続けざまに“本日未明”へと突入するはずが、ここでミツヤスがミス。雫の「バカヤスと呼んでください」の言葉に、会場中から「バカヤスー!」の容赦ない声が飛ぶ(笑)。たぶん、男性ファンからの声だったらムカツクだけなんだろうけど、女子の愛のこもった「バカヤス」コールには、ただただ笑顔で応えたミツヤスでした。雫は「私はこの後、本気で怒りますけどね」と言っていたけど、こうした事態もエンターテイメントで逆手に取るしたたかさが、ポルカの魅力でもある。

ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール

中盤のMCでは、11月8日(水)にメジャーデビュー作品として1stフルアルバム『全知全能』のリリースが決定したことを報告。CDのパッケージ作品としては全14曲が収録されるということで、過去のヒットチューンも新たにレコーディングし直しているそう。初回限定盤の内容なども詳細に告知され、新作への期待が高まったところで、今シーズン、多くのフェスでも大いに盛り上がったであろう、「ポルカ初のネタ曲」“顔も覚えてない”へ。すでにおなじみ、(マネージャー扮する)「SAY YESマン」も、この日の「女子限定」という趣旨に合わせて、「昨日ドンキで買ってきた」という金髪ロングヘアのウィッグを着けて登場。歌詞の内容を説明するイラストや、サビのシンガロングに合わせた歌詞を書いたフリップを、曲の進行に合わせて提示していく。フリーキーでアッパーな楽曲は、たとえ初めて耳にする人でも、すぐに体が反応するし、一緒に口ずさめてしまう。そして、3、2、1のカウントに合わせて「叫べ!!!!!!!」のフリップが出されると、凄まじいまでのスクリームが起こる。凄い瞬発力。続いて本編ラストの“エレクトリック・パブリック”でも、事前に決めの振りと、ラスサビの「SAY YES!」のタイミングがレクチャーされ、その一体感は、たぶんこれまでの彼らのライブでナンバーワンなんじゃないかと思うほどのキレの良さだった。爽快感さえ感じる。女子団員、恐るべし。

ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール
ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール

アンコールでは、なんと新曲を2曲も披露。雫は『全知全能』について、「ポルカドットスティングレイの新しい試みが詰まったアルバム」だと紹介し、「ただただ爽やかな曲や、J-POPっていう感じの曲もあって、こんなに何でもやるのかって思われるくらい振れ幅が広い作品」だと語ってくれた。その中から「バラードも恋愛ソングも苦手なんだけど、恋愛バラードは売れるということで(ニヤリ)」と、確信的ポルカ流バラード“極楽灯”を初披露。これまでのポルカのイメージを良い意味で裏切る、美しく普遍的なラブソングに驚きつつも聴き入ってしまった。雫のボーカル力の幅の広さたるや。もう1曲の“レム”もまた、キャッチーなメロディと心地好い雫のボーカルを、浮遊感のあるバンドサウンドが包み込むような、非常にスケール感のある演奏で聴かせる。この2曲で『全知全能』への期待感は一気に高まってしまった。

ポルカドットスティングレイ/原宿アストロホール

このところ、常に「次」への驚きのニュースを提示してくれるポルカのワンマンライブだが、この日はとにかく何もかもがスペシャルだった。いつもはどちらかといえばサディスティックなイメージの雫だけれど、「メジャーに行っても、皆さんに寄り添って、皆さんのことを第一に考えるバンドでありたいと思っています」というコメントは、この日のライブの隙のないエンターテイメント性を見れば、100%本気の言葉だということがわかる。ポルカのメジャーデビューアルバム、すごく期待していいと思う。そう確信したライブだった。(杉浦美恵)

終演後ブログ
【速報】ポルカドットスティングレイ、女子限定ライブの熱狂がほんとに凄かった!
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