SUPER BEAVER/Zepp Tokyo

SUPER BEAVER/Zepp Tokyo - Photo by Suzuki KouheiPhoto by Suzuki Kouhei

●セットリスト
1.ファンファーレ
2.青い春
3.うるさい
4.美しい日
5.贈りもの
6.irony
7.ひなた
8.人として
9.27
10.361°
11.証明
12.正攻法
13.東京流星群
14.秘密
15.それくらいのこと
16.歓びの明日に
(アンコール)
EN1.虹
EN2.ありがとう

SUPER BEAVER/Zepp Tokyo - Photo by Suzuki KouheiPhoto by Suzuki Kouhei
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ほんっとに最高のライブだった。と同時にこれから先の遥かなる可能性、つまりライブハウスのヒーローがさらに羽ばたいて、本当の意味でポピュラーミュージックを体現すること、そのわくわくと並々ならぬ覚悟さえ伝わってくる一夜でもあった。

SUPER BEAVER/Zepp Tokyo - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平
過去最大規模の全国ツアー「『真ん中のこと』Release Tour 2017 ~ラクダの、中心~」。その26本目、ファイナル公演となるこの日。開演時刻を迎え、SEの“Tokyo”(Cap'n Jazz)が流れる。[NOiD]タオルを掲げる柳沢亮太(G)に続き、藤原“29才”広明(Dr)、上杉研太(B)がオンステージ。一呼吸置いて渋谷龍太(Vo)も入場。マイクを手に取り、「さあ行きますよ、俺たちがRepresent Japanese Pop Music from Tokyo, JAPAN! SUPER BEAVER、よろしくお願いします!」からの、ジャーン! バックドロップが落ち、“ファンファーレ”がスタート。どわっと沸き立つZEPP TOKYO。華々しいオープニングである。

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次の“青い春”で柳沢が「両手見せてもらえますか!?」と促し、上杉は転がしに足を掛けるクールな弾き姿で熱く歌を支え、藤原は満面の笑顔を浮かべている。シンガロングから始まった“うるさい”は、リフやワウプレイで空間をぶった切るギターの存在感がきらり。「やっぱり東京に帰ってくると、すごくすごくうれしい気持ちになります」と感謝を漏らした渋谷は、アカペラとひとりひとりの「あなた」によるハンドクラップで“美しい日”に入る。後半、上杉が《美しい〜♪》のところでめちゃくちゃエモい顔をしていた。

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続いて『真ん中のこと』からの3連コンボ。ドラムの符割、徹底的に引き算されたギター、あたたかなメロディにガッツを加えるベースと新たな黄金律を確立した“贈りもの”、ロックンロールって本来ダンスミュージックだろ?と説くような“irony”、バラードなのにテンポが速く、難解なコーラスワークもさらっと聴かせるけれど歌詞は身悶えするほどグッとくる“ひなた”。言うなれば変化球、使える武器を増やした作品が今回のミニアルバムだ。が、ライブで証明されたのは、結果的にオーディエンスへ愚直かつ真っ直ぐに届けられるメッセージは変わらないし、むしろさらに磨かれているという揺るぎない事実だった。

SUPER BEAVER/Zepp Tokyo - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平
「いやあ、ZEPP TOKYOで2デイズなんつーのは考えてもみなかったね。ここでライブするのは約11年ぶりなの。当時は何のビジョンもないよね。その後すぐメジャーデビューするんだけど、覚悟なんて何もなかった。『ここを歩きなさい』って言われるまま歩いてたら、ついに音楽が楽しくなくなっちゃった4人なんだよ俺たちは。じゃあ自分たちでやってみようっつって、アルバイトを始めて、借金して車を買って、自分で宿を取る。こんなに大変なのかって思ったけど、そうか、自分たちだけじゃないんだなってことに、その時初めて気がつく。だったら自分の足を使って、いろんな人の前で歌いたいなと思った。俺たちは、自分たちの音楽を伝えるべくしてここに立ってる、手を伸ばす。掴み返してくれたのがあなたです。生半可な覚悟で伸ばしてないから。一度伸ばしてくれた手は、ずっと掴んでようと思います。一緒に、すてきな未来へ、すてきな明日へ。次の曲はそのための意思表示です」と渋谷。

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披露されたのは“人として”。こういう曲の渋谷って無敵だなと思った。さらに“27”、“361°”と畳み掛ける。これらは今ならではだけれど、歌い続けるにつれて重みを増していく歌でもある。初期衝動に負けないくらい歳を重ねていくこともカッコいい、それが今を生きるバンドというものだろう。「こっから後半戦ですけどガンガン行けるでしょうか!?」(渋谷)という煽りを経て“証明”へ。演奏の熱もフロアのパワーも加速度的に上昇、熱狂の向こう側を切り開いていく。4つ打ちビートに8分のリフをあえて鳴らす“正攻法”が牙を剥き、天翔る“東京流星群”が光り輝いた。“秘密”のコール&レスポンスも圧巻。舞台後方のスクリーンに映像を投影したり、その奥に配されたLEDを煌めかせたりと、大きなステージの見せ方も素晴らしかったと思う。

SUPER BEAVER/Zepp Tokyo - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平
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再び渋谷のMC。「うまくいくことばかりじゃないってわかってるから、どんな気持ちを持っててもいいから、また俺たちに会いに来て下さい。俺たちはずっと歌ってくからね。次に俺たちと顔を会わせる時の条件はたったひとつだけ。しっかりと生きていること、それだけ」と語り、“それくらいのこと”を歌い上げる。いよいよ迎えてしまったラストは“歓びの明日に”。ドカーンと明るくブチかまし、本編を締めくくった。

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アンコールで発表された来年4月30日の日本武道館公演。「俺たちが歩ってきた13年間は長かったか短かったかわからないけど、あなたのおかげでやってみようかっつー決断に踏み切ることができました」と渋谷。曲の短さと構成を突き詰めた最新ナンバー“虹”を披露してもなお、その感慨は収まらない様子で、「まだあの舞台に立ってないけど、立たせてくれようとするメンバー、チーム、何よりもあなたと出会えた人生っつーのは、悪くねえなって思う。30歳になったって、若輩4人の集まりです。こんな4人ですが、これからも音楽していきます。これからも、よろしくお願いします」と深々と頭を下げた。そして“ありがとう”の前奏に入るが突然ストップ、渋谷が生声で「目の前にあなたがいてくれて本当にうれしいです。ありがとうございました!」と叫び、曲に戻る。正真正銘の全身全霊、万感のツアーファイナルが幕を閉じた。

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ツアーを終えてなお、さらなる未来へ歩み始めたSUPER BEAVER。それは武道館とて同じこと。超絶おめでたいけれど、単なる祝祭で終わらせるはずもなく、大輪の花を咲かせたとしても、その瞬間に一回り大きな蕾を膨らませるのだろう。彼らの道はそうやって続いていくのである。(秋摩竜太郎)

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終演後ブログ
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