[Alexandros]/Zepp Tokyo

[Alexandros]/Zepp Tokyo - All photo by 河本悠貴/12/20・Zepp Tokyo公演よりAll photo by 河本悠貴/12/20・Zepp Tokyo公演より

●セットリスト
1.Burger Queen
2.can't explain
3.city
4.ワンテンポ遅れたMonster ain't dead
5.Dracula La
6.Nawe, Nawe
7.My Blueberry Morning
8.Waitress, Waitress!
9.Wet Paint
10.Cat 2
11.I Don't Believe In You
12.Supercalifragilisticexpialidocious
13.Thunder
14.Kiss The Damage
15.Kids
16.Last Minute(仮)
17.NEW WALL
18.ムーンソング
19.Starrrrrrr
20.Adventure
21.明日、また
(アンコール)
EN1.Kaiju
EN2.新曲
EN3.Kick&Spin


[Alexandros]の東名阪ワンマンツアー「NO MEANING」の東京編が、Zepp Tokyoにて12月19日・20日の2日間にわたり行われた。当記事ではセミツアーファイナルとなる19日の公演をレポートするが、[Alexandros]が[Alexandros]たる所以を再確認できた、彼らの歴史を鑑みる上でもとても「意味のある」夜だった。

今や幕張メッセを万単位の人で埋める彼らによるライブハウス公演ということで、当然のように即完売となった本公演。しかも今回はツアータイトルが意味するように新譜を携えて行われる通常のツアーとは異なり、冠作品がない分[Alexandros]が好きにやるという主旨だからこそ、オーディエンスの期待値も相当高まっていることは明らかだった。

[Alexandros]/Zepp Tokyo - 12/20・Zepp Tokyo公演より12/20・Zepp Tokyo公演より
そんな熱気と人が隙間なく充満した会場に川上洋平(Vo・G)、磯部寛之(B)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)の4人が登場すると、SEである“Burger Queen”を大歓声をも掻き消す迫力でプレイ。そこから“can’t explain”や“city”、膨大なリリックでクールに攻める“ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead”、壮大なスケールを描く“Nawe,Nawe”を間髪入れずに畳みかけた。この序盤のブロックを終えただけでも楽曲の多彩さや奥行きの広さが伝わってきたし、彼らが絶対的な自信を持つメロディセンスがリリース毎に磨かれ、その度に着実にスケールを広げ続けていることをまざまざと思い知らされた。

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さらにそこからは、スローリーな導入を経てパンキッシュにぶちあがる“My Blueberry Morning”や「まだもっと行けるだろ、東京!」という磯部の叫びが牽引した“Waitress,Waitress!”、1stアルバムから“Wet Paint”など[Champagne]時代の楽曲を続々とプレイ。初期らしい尖りや猛りはそのままに、これまでの経験が故に生まれた余裕のあるステージングと日々向上し続ける演奏スキルによって曲が持つ魅力が更新されていく感覚で、彼らはそういった「昔の曲を今の自分たちが弾くからこそ分かる良さ」をアレンジとして組み込むのが本当に上手い。

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そして川上は「みなさんの鬱憤をステージに投げ込んで!っていつも言っていますけど、今日は我々の鬱憤を皆さんに投げつける番です。この国で『おかしくなっちゃいましょう』っていうことですよ」とステージのバックフラッグに書かれた「LET’S GET FUCKED UP」という言葉に触れつつ、「今日は近くに夢の国があるので……」と“Supercalifragilisticexpialidocious”のカバーを披露。その後もダークネスな“Kiss The Damage”や“Kids”、広がりのある“NEW WALL”と新旧の楽曲を織り交ぜつつ、川上による弾き語りを経て、大シンガロングを巻き起こした“Adventure”、そして最新曲“明日、また”で本編を締めた。

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熱望されたアンコールでは、川上の「今回のツアーの想い出は?」という質問に対して、名古屋の動物園にいるイケメンゴリラ・シャバーニに会いたいという想いを真摯に訴える磯部の姿を見て白井が爆笑するという和気あいあいとした雰囲気が漂った。そんな中で川上は「俺はね、名古屋でのブラジャーのね……」と、名古屋公演で客席からステージに下着が投げ込まれたことをSNSで報告した際に議論が起こったという出来事を説明した。それに対し川上は、自分たちが誰かのモラルをぶっ壊す程のアクトができたことが嬉しかったと伝え、「今のこの国で、おかしくなっちゃうことってあんまりないんだよ。俺はそういうことができなくなる世の中にはしたくないんだよ。これって義務教育じゃないからさ、みんなの選択なんだよ」と語った。

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ロックとは?という問いに対する明確な答えが未だにないのは、きっとその言葉自体が「自由」だからだろうし、SNSの普及も含め「誰かに認められたい/否定されたくない」という風潮が強く根付く今の日本ではその「自由」を語ることすら難しいのかもしれない。それでも[Alexandros]は、自分たちが憧れる海外のバンドの下で培った己の自由を掲げることを躊躇したり、ましてや止めたりすることは絶対にしないはずだ。なにより、そうした時代に屈服することは自分の愛する音楽や歴史、ライブハウスに対して失礼だという誇りが彼らの中には間違いなくあるのだ。そして「みんなは選んでここにいるんだってことを提示していきたい、これからも。死ぬまでやっていきます」と宣言し、ラストに“Kaiju”、“Kick&Spin”を豪快にぶち込んだ。

この日のライブを観て、少なくとも私の本能は [Alexandros]が人生を懸けて提示するロックに共鳴したし、このバンドが時代を変えていく未来を追い続けたいと心から思った。そしてその選択が正しいかを証明するのは、[Alexandros]ではなく、[Alexandros]の音楽を聴いた「自分自身」だ。甘えや妥協を蹴散らして、自分の思うまま強く在りたいと思わせてくれるバンドが今の日本にいることを誇りに思う。(峯岸利恵)

終演後ブログ
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ただただ最高だった。 [Alexandros]は「俺たちの音楽を信じろ」という強制や、聴き手の日常に自ら寄り添って全てを受け入れようとは決してしない。自分以外の人間が何をどう思っているか?や、逆に自分達が世間からどう思われているか?を考えることは、もしかしたら彼らにとっては今回のツアータ…
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