「YON FES 2019」1日目/モリコロパーク(愛・地球博記念公園)

「YON FES 2019」1日目/モリコロパーク(愛・地球博記念公園) - Photo by ヤオタケシPhoto by ヤオタケシ
04 Limited Sazabysが主催する「YON FES 2019」が、今年も愛知県・モリコロパーク(愛・地球博記念公園)で開催された。以下の記事では、1日目(4/6)に出演した全アーティストのライブの模様をレポートしていきたい。

「YON FES 2019」1日目/モリコロパーク(愛・地球博記念公園) - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平
「YON FES 2019」1日目/モリコロパーク(愛・地球博記念公園) - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平
イベントはSKY STAGE(メインステージ)とLAND STAGE(サブステージ)を交互に使用しながら進行。今年はなんとモリゾー&キッコロも登場した(!)フォーリミメンバーによる前説を経て、記念すべき4回目の「YON FES」が始まった。

「YON FES 2019」1日目/モリコロパーク(愛・地球博記念公園) - Photo by 浜野カズシPhoto by 浜野カズシ
SKY STAGEのトップバッターは四星球だ。彼らは巨大ウナギに乗り、まさやん(G)が味噌塗れになった状態で登場。「四星球は5パートのバンド」、「みなさんは笑い声担当」と伝えながら、“時間がないときのRIVER”、“作業が捗るKiLLiNG ME”~“swimたいやきくん”と、今年の出演者の楽曲を独特な切り口でアレンジしたメドレーで畳みかけ、笑いの嵐を巻き起こしていった。終盤にはフォーリミのRYU-TA(G・ Cho)が北島康雄(シンガー)とともに客席エリアを駆け抜け、RYU-TAプロデュースのラーメン屋「麺や おがた」の宣伝をする場面も。

「YON FES 2019」1日目/モリコロパーク(愛・地球博記念公園) - Photo by ヤマダマサヒロPhoto by ヤマダマサヒロ
LAND STAGEのトップバッターは、名古屋の3ピースバンド・ONIONRING。これまでは観客として「YON FES」を観に来ていたという彼らは「やっとステージから歌ってます!」と喜びを語り、その想いを演奏に託した。良質なメロと竹を割ったように気持ちの良い3ピースサウンドに、オーディエンスは、拳を掲げたり歌声を上げたりしながら応えていく。それはピュアな高揚感に満ちた清々しい光景だった。

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SKY STAGEにはSHANKが登場。彼らは「YON FES」初年度より連続で出演しているバンドのひとつで、メンバー曰く「何で毎年呼ばれてるかわかる?」、「いや、俺らにはわからんけど」とのこと。しかしそういうどこかカラッとした性格や、四の五の言わずに楽曲を連投していくライブのやり方、時代の流れに左右されることのない芯の通ったスタイルを持ったバンドがいてくれるということが、このフェスの精神的支柱になっているのかもしれない。雲一つない青空の下で聴く“Weather is Beautiful”が最高だった。

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フォーリミがライブのSEで使用しているボウリング・フォー・スープ“1985”をリハで演奏したナードマグネットは、「好きなものを好きでい続けたことでフォーリミに出会えた」としながら「ロックフェスはいろいろな生き方をしている人を受け入れてくれる場所」という持論を展開。屈折した気持ちをも託した瑞々しいパワーポップを堂々と鳴らし、誰もが抱える孤独、そしてそれぞれ唯一の美学の存在を肯定していく。

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フォーリミにとってフェス主催の先輩にあたるバンド、10-FEETがいよいよ初出演。1曲目“その向こうへ”から大きな歓声が起こるほどホームみたいな状況のなか、TAKUMA(Vo・G)は「おい『YON FES』、どんなもんか見せてくれよ!」と煽りに煽りまくり、オーディエンスの底力を引き出しては賞賛する。その様子には、彼らが「YON FES」やここに集まるファンのことを、そしてフォーリミのことを如何に信頼しているのかということが表れていた。中盤に“RIVER”を演奏。さらに「ちょっとだけ時間あるんで!」と去り際に本家版“時間がないときのRIVER”を披露する粋な計らいも。

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LAND STAGE・3番手はヤングオオハラ。前半ではキャッチーなアッパーチューンを猛々しいサウンドに乗せて演奏。後半では“中南海”、“HANBUN”といったスロー~ミドルナンバーを披露し、バンドの奥行きを見せた。アプローチこそ幅広いが、どの曲も未だ原石というか、これからさらに化ける予感がするのが面白い。「僕らは音楽で時間と場所を共有する仲間だ。楽しくやってこ。俺らみたいに」と言い残し、彼らは去っていった。

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2年連続2度目の出演だったSKY STAGEのBiSHは、“プロミスザスター”からライブをスタート。自己紹介的な側面の強かった昨年のライブに対し、今年は、パフォーマンスの幅広さ、メンバー一人ひとりの個性がより際立ったライブだったように思う。“MONSTERS”、そして新曲の“遂に死”と激しい楽曲を続けたあと、セントチヒロ・チッチのかわいらしい声によるMCでは、初見と思われるオーディエンスがそのギャップにざわついていた。BiSHにとってフォーリミは「愛知のお兄ちゃんのような存在」とのこと。“beautifulさ”ではRYU-TAが登場し、7人でのダンスを披露した。

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続いては、LAND STAGEにかりゆし58が登場。前川真悟(Vo・B)のボーカルは、民謡に近い味わいがありじんわり温かい。そこにドラマティックだが大仰すぎないバンドサウンドが重なることにより、懐の深い歌が完成していく。じっくりと聴き入るオーディエンスに対し、「バンドマンは今日も死んでません。あなたのおかげです。よく来てくれました。ありがとうございます!」など、真摯な言葉を投げかけていたのも印象的だった。

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SHANKと同じく「YON FES」皆勤賞のMy Hair is Bad。椎木知仁(G・Vo)は「フォーリミは名古屋にとってのヒーロー。ヒーローに必要不可欠なものは悪役ですよ! 最低の悪役やりにきました!」と宣言。実際、この日の彼らの演奏は漲る気合いが溢れまくっていて、特に、自分たちとフォーリミとの関係性を表す歌詞に替えた“フロムナウオン”は迫力ある演奏だった。椎木曰く、「俺たちが100出したらあの人たちは120出す! それでいいんだ! これはフォーリミのフェスだから! そうやって底上げしていくんだよ!」とのこと。これがSKY STAGEトリ前のアクト。フォーリミのメンバーも焚きつけられたのでは。

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LAND STAGEのトリを任されたのはteto。アッパーチューンを連続で演奏するなか、ステージ上では暴れまわる小池貞利(Vo・G)と山崎陸(G・Cho)がぶつかり合い、マイクが何度も倒れる。衝動任せの展開が続いたからこそ、ラストに演奏された、ロックバンド賛歌というべきバラード“光るまち”が沁みた。本当は名古屋の人の家に行きゴロゴロしながら歌うぐらいがちょうどいいのだと言いながら、小池は、その場に座ってアコギを鳴らす。

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空がすっかり暗くなり、いよいよフォーリミの出番だ。ステージに揃った4人が音を合わせると、ステージが目一杯の明転になる。「YON FES、まだ元気余ってるの? まだ遊べる?」というGEN(B・Vo)の言葉にオーディエンスが拳や歓声で応えると、“monolith”が始まった。

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RYU-TAとHIROKAZ(G)のギターがグイグイと鳴りまくっていたのが痛快だった“Alien”、KOUHEI(Dr・Cho)が曲間を繋げ連続で演奏された“My HERO”~”Kitchen”、メンバー同士で言い争いをするようなやりとりを経て突入した“Galapagos”――と最新アルバム『SOIL』収録曲も多数披露。バンドの最新モードを改めて提示しながら、GENは、これまでは「どうすべきか」を都度考えながら活動していたが、今は「何をしたいか」を大事にすることができているのだと明かし、「この歳になってやっと自分の心とちゃんと向き合えてます」と語った。

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その「何をしたいか」を改めて確かめるという意味で、「YON FES」という場所がフォーリミというバンドにとって大切なものであることは言うまでもない。そのことは、いきいきと疾走する4ピースサウンドや、会場内の巨大スクリーンが捉えるメンバーの充実した表情が物語っていた。いつもは流暢にMCをするGENが、言おうと思っていたことが飛んでしまったのだと言いながら「考えんのやめよ! だっていつも考えすぎてんだもん!」と叫んでいたのも、かえって人間臭くてよかった。

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11年目の初期衝動というべき“message”で本編を締め括ると、アンコールでの“Terminal”、“Buster call”を経て「YON FES 2019」1日目は幕を閉じた。冷めやらぬ熱狂を引き連れて、2日目が始まっていく。(蜂須賀ちなみ)

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2日目のレポートはこちら。
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