SUPER BEAVER/国立代々木競技場 第一体育館

SUPER BEAVER/国立代々木競技場 第一体育館 - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平

●セットリスト
1.それでも世界が目を覚ますのなら
2.青い春
3.閃光
4.ラヴソング
5.irony
6.正攻法
7.秘密
8.まわる、まわる
9.your song
10.人として
11.歓びの明日に
12.予感
13.27
14.東京流星群
15.嬉しい涙
16.全部
17.美しい日

(アンコール)
EN1.シアワセ


SUPER BEAVER史上、最大規模のワンマンライブ・国立代々木競技場 第一体育館公演のチケットは完売。アリーナ席、1階スタンド席、2階スタンド席が、満杯となっている様が、壮観であった。開演時間を迎えて、ステージに登場したメンバーたち。柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原”31才”広明(Dr)が、各々のポジションで準備を済ませた後、ゆっくりと歩きながら渋谷龍太(Vo)が現れた。アイコンタクトを交わした4人、緊張感を含む独特な静寂に包まれた会場。そして、頭上からのピンスポットを浴びて、“それでも世界が目を覚ますのなら”をアカペラで雄大に歌い始めた渋谷の姿に息を呑んだ。バンド演奏も加わると、一気に奥行きを増したサウンド。心を込めて一音一音を届けたメンバーたちと、一心に耳を傾けて胸を震わせていた観客が、温かい空間を作り上げたオープニングであった。

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SUPER BEAVER/国立代々木競技場 第一体育館 - Photo by 青木カズローPhoto by 青木カズロー
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紛れもなく大舞台であり、メンバーたちの胸中に感慨深い気持ちがあったのも確かだと思う。しかし、気負い過ぎることなく、あらゆる曲をひたすらまっすぐに届けてくれたのが、とても彼ららしいライブだった。“青い春”、“閃光”、“ラヴソング”、“irony”、“正攻法”、“秘密”……様々な曲が奏でられる毎に、手拍子をしたり、大合唱をしたり、掲げた腕を揺らしたり、笑顔を輝かせたりする人々の間に広がっていった穏やかな昂揚感。そして、渋谷のMCの言葉が添えられることによって、演奏される曲が、心の奥にまで一際深く迫ってくる瞬間もたくさんあった。印象深かった曲のひとつとして挙げておきたいのが、中盤で披露された“まわる、まわる”。「努力は人を裏切らない」、「夢は信じてれば必ず叶う」というのは、しばしば耳にする言葉だが、自らの経験に照らし合わせると、そのまま受け止めることはできないという旨を語った後、渋谷は次のように言葉を続けた。「歌う理由、音楽をやる理由は、俺たちには、すごくたくさんありました。どうしても叶えたいものがあるのなら、報われるための努力にしたいのであれば、続けてないことには意味をなさないなと、思うようになりました。俺たちの15年は、そういうことを思うには十分の年月だったかなと。目の前にあなたがいてくれるというこの事実は、俺たちにとっては、かけがえのない宝物です」――彼の言葉を踏まえながら耳を傾けたこの曲は、大きな説得力を伴って迫ってきた。

SUPER BEAVER/国立代々木競技場 第一体育館 - Photo by 青木カズローPhoto by 青木カズロー
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「あなたの下には、何がありますか? 椅子です(笑)。折角なんで、座ってみませんか?」と渋谷が言い、観客を着席させた後に演奏がスタート。瑞々しいサウンドをじっくりと堪能させてくれた“your song”と“人として”を経て、再び迎えたMCタイムは、渋谷以外のメンバーも、想いを語ってくれた。「始まってからずっと楽しいです。もちろんここが終着点ではないですし、なんなら2020年一発目のライブですし。15周年イヤーになると言いつつ、まだなってないっていう。いわば、このなんでもない時というか(笑)。そんな時に、こんな素晴らしい日を迎えられて、『SUPER BEAVERやっててよかったな』と、すごく思いました」(柳沢)。「いやあ、なんかねえ、俺、今日ちょっと来てるわ。やばい、ちょっと泣きそう(笑)。俺、ここ地元なんですよ。代々木公園で遊んでた。ここら辺で走り回って遊んでて、ここにバスケの試合とか観に来てたから」(上杉)。「やなぎと、昔、ここでライブ観たりしたし、自分たちがここに立つとは思ってませんでした。ほんとにありがとうございます!」(藤原)――3人のMCの後、「俺たちの音楽っていうのは、あなたに届いて、届いたあなたから何かを返してもらって、それをまた俺たちが音楽にして届けて。そういう音楽だと思ってます。だからこそ、今日みたいな日、めちゃくちゃ嬉しいんです」と喜びを露わにした渋谷は、「アリーナ!」、「1階!」、「2階!」と客席に呼びかけると、大きな声が返ってくることにも大はしゃぎしていた。そして、“歓びの明日に”を皮切りに突入した後半戦。“予感”、“27”、“東京流星群”、“嬉しい涙”が届けられて、特大級のシンガロングが観客の間から起こり続けていた。

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SUPER BEAVER/国立代々木競技場 第一体育館 - Photo by 日吉"JP"純平Photo by 日吉"JP"純平

「『生きててよかった』と思わせてくれたあなたの『生きててよかった』になりたいです。そうやって繋がれてることが、俺たちにとっての何よりの宝物、財産です。というか、それしか持ってません。なので、地に足着けて、精進して、バチバチかっこいいバンドマンをこれからもやっていきますんで、安心してついてきてください!」と、渋谷が観客に語りかけた後に披露された“全部”と“美しい日”で締め括られた本編。そして、観客の手拍子と歓声に応えて、アンコールの準備を始めた4人は、心底嬉しそうな表情を浮かべていた。

「今なら自分たちが生かされていた歌を、あなたに歌える気がしてなりません。『これからもよろしくお願いします』という意味を込めて」という言葉を渋谷が添えて、アンコールで届けられた“シアワセ”。この曲は、SUPER BEAVERがメジャーレーベルに所属していた2009年にリリースされた。迷いと不安でいっぱいだった時期に手応えを感じた“シアワセ”は、その後も大きな心の支えとなり続けたと、彼らは度々語っている。想像もできなかった未来へと辿り着くことができた理由のひとつと言っても過言ではないこの曲が、たくさんのファンの愛情で満ちた空間に響き渡っていることが、ただひたすらに美しく思えるひと時であった。

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今回の公演でもそうだったが、渋谷はライブ中に度々「あなたたちじゃなくて、あなたに歌ってるんだ」と言う。代々木第一体育館に集まった約1万2千人の一人ひとりも、その想いが本当であることを強烈に実感したのではないだろうか。SUPER BEAVERはアリーナ会場のステージにも立つことができるバンドとなったが、彼らの根本にある姿勢は変わっていないどころか、ますます研ぎ澄まされていることを示していたのが、代々木第一体育館公演であった。今年、15周年を迎える彼らのツアースケジュールには、各地のアリーナ会場での公演も含まれているが、そこでもSUPER BEAVERは、「あなたたちじゃなくて、あなたに歌うバンド」であり続けるはずだ。そんな彼らの姿を、2020年最初のライブで感じることができて、とても嬉しい気持ちになった。(田中大)

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