マスクで顔を隠し、どこのだれか(Vo・G)、東野へいと(G)、和泉りゅーしん(B)、蓮(Dr)というメンバー名に象徴される、極めて匿名性の高いスタイルで活動する彼ら。特定の個人の表現ではなく、誰にでも当てはまる対等なものとしてメッセージを伝えるそのやり方はなぜ生まれたのか。次のように語る。
「(バンド名について)神様の実体は人間の妄想にすぎなくて、そういったことに気づいているんだぞということなんです。(中略)マスクが空想上の生き物のような形をしてるのも、ボーカルの名前が『どこのだれか』っていうのも、要はどっかの誰かだっていうことじゃないですか。それは人間が作り出した偶像にすぎないわけで、裏返して言ってしまえば、誰にだってなりうるんです」(どこのだれか)
また、彼らの楽曲では、世界と自己に対する嫌悪や空虚感、絶望などが歌われるが、そうしたメッセージを込める理由を、多くの楽曲の作詞・作曲を手がける東野へいとは次のように語る。
「世の中楽しいことはそんなにないけど、悲しいことはたくさんあるじゃないですか。だから変な歌詞だと思わないんですよ。世の中のこういう歌詞じゃない人のほうが変だと思うんです。これは、世の中みんな感じてることだと思います」(東野)
衝撃のデビューから数ヵ月で、すでに大きな話題を呼んでいる神様、僕は気づいてしまった。その思想と衝動の核心に迫ることができる必読のインタビューだ。