今回の特集では、「米津玄師とハチ」「人間とかいじゅう」「絵と言葉」「ひとりの部屋とライブのステージ」「ソロとコラボレーション」という5つのテーマを設けたインタビューを実施。それぞれの項目を紐解く中で、米津がふたたびハチとして楽曲を書いた理由のほか、ライブやコラボレーションによってもたらされる自身の変化などが語られる。
「“砂の惑星”は、今しか作れないし、俺しか作れないなって思いました。俺はボーカロイドっていうシーンから生まれて、そこでどんどんやってきて、ボーカロイドから1回足を抜け出して、いろんな試行錯誤を繰り返しながら、自分なりに頑張ってやってきたと思ってるんですね。(中略)その上で、今のボカロ界隈、ニコニコ動画を振り返ってみたときに、そういう自己批判が足りない気がしたんです」
「自分を作り変えていくのは、俺にとっては『生活する』ということなんです。だから音楽を作る上でも、ライブをやってみたり、いろんな人と曲を作ってみたりすることで見つかる、新たな方法や文脈を無視しては生きられない」
「理想に行きすぎるのもダメだし、現実だけに引っ張られるのもダメだし。だから『ハチ』と『米津玄師』というふたつがあるとしたら、俺は別にどっちにもなりたくない。ちょうどその中間にいたいんです」
また、特集の最後には、米津自身が「子どもの頃の自分」に宛てた直筆の手紙も掲載。さまざまな項目での「ふたりの米津玄師」に焦点を当てることで、彼のアーティストとしての本質や人間としての在り方を知ることのできる、必読のテキストだ。「ふたりの米津玄師」というテーマを象徴した、鏡を使用してのスペシャルなフォトセッションも必見。