現在行われているツアーでは、「客観的に自分を見る」感覚を外してより自由な表現ができているという山中。その理由は、アルバムへ込めた思いが元にあった。
賛否両論を覚悟して、君たちが何を言おうと、僕たちはこれで突き進んでいくっていう思いでアルバムを作ったことが、ライブでの表現にもつながってますね。その時のベストな形でより能動的に自分たちを出していこうっていうテンションに変わったのかなって思います
また、自身の曲を支持してくれるファンが増えることで、表現の中に自然とファンへの感謝がこめられるようになったという。
「みんなきれいごと歌ってんなあ、そんなんじゃなくね? 人間って」って思いながらずっと歌を書いてきたけど、そんな自分の曲を支持していただけるようになって。俺と同じように何かに対して逆らっていきたいって思っている子たちが一緒に旗振ってくれてるんだろうなって思えたから、戸惑いが愛に変わっていったんです。それが今回のアルバムなんじゃないかなって
インタビュー後半では、山中のコアの部分にも話が及んだ。「自分はゼロの人間」と言う彼のクリエイションの起点には「反逆心」があると語る。
始まりは天才への反逆です。米津(玄師)と飲んだ時に――僕は彼に対してコンプレックスを抱いていたので、自分はゼロだっていう話をしたら、『いや、ゼロが一番美しくないか?』って言ってくれて。もともと何もなかった自分を愛せたんですよね。天才に反抗してたら、ここまでやれるんですよって
山中拓也の音楽だけではなく、内面にも迫った本インタビュー。撮り下ろし写真とあわせて、是非手にとって読んでほしい。