おいしくるメロンパンの新しいミニアルバム『bouquet』は、結成10周年に放たれる10枚目のミニアルバムであり、トイズファクトリーからのメジャーデビューアルバム。どんなアルバムかというと完璧に結成10周年のアルバムであり、完璧にメジャーデビューアルバムであり、完璧においしくるメロンパンなアルバム。そしてこれがいちばん重要なのだが、完璧にロックバンドとして自由なアルバムである。フォーマットを変えないことによって音楽の内容に関しては、何をやってもおいしくるメロンパンになる、そこを楽しみたい
そのすべての要素は、先行配信された“群青逃避行”という1曲の中に凝縮して詰まっている。しかし、そんな今のおいしくるメロンパンだから、どこへでも行けるし、なんでもできてしまうし、それでもバンドの軸は揺らがないということは“誰もが密室にて息をする”“十七回忌”“クリームソーダ”という、初収録の3曲に溢れ出ている。一方で、メジャーデビュー発表の前に発表されていたアニメ『フードコートで、また明日。』のオープニングテーマ“未完成に瞬いて”で、すべては予告されていたと今となっては感じる。
いくつものタイミングと、3人の波長と、5色の楽曲が美しくハモりながら躍動しているおいしくるメロンパンの今に、久々の3人インタビューで迫った。
インタビュー=古河晋 撮影=Takako Noel
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より抜粋)
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