【JAPAN最新号】忘れじの夏、消えない記憶。ひと夏を永遠に刻むMrs. GREEN APPLEの“夏の影”に寄せて

【JAPAN最新号】忘れじの夏、消えない記憶。ひと夏を永遠に刻むMrs. GREEN APPLEの“夏の影”に寄せて
Mrs. GREEN APPLEは今年10周年のアニバーサリーイヤーに突入していて、気づけば4月からは毎月の新曲リリース。しかもミセスの音楽の底知れなさを感じさせる“クスシキ”、“天国”、そして緻密にして複雑な構成の楽曲をいともポップに響かせた“breakfast”と、恐ろしいまでのクオリティに毎度驚かされた。7月にリリースされた前作は、東京ディズニーリゾート®のスペシャルイベント「サマー・クールオフat Tokyo Disney Resort®」のために書き下ろした “Carrying Happiness”。この曲は、最高にアッパーなサマーチューンとしてこの夏を彩ってくれた。

そしてこの夏といえば、やはり横浜・山下ふ頭で2日間にわたって開催された「MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD〜」だろう。あのファンタジックな世界と完璧にショーアップされたライブはきっと何年経っても記憶に残る、2025年夏の最大のトピックだったと思う。そして今、開放的で賑やかな日々を過ごした盛夏も、記録的な暑さがピークを越えて、少しずつその日々が懐かしい思い出へと変わっていく季節へと移り変わり始めた。

その気持ちに寄り添うかのようにミセスがドロップした新曲が“夏の影”である。“Carrying Happiness”しかり、ミセスには“サママ・フェスティバル!”、“青と夏”など、夏を彩る数々の名曲が存在するが、「夏の終わり」を慈しみ、静かに夏の日を心に刻み込めるような楽曲はこれが初ではなかろうか。行く夏の切なさ、儚さを感じさせる歌が、じんわりと胸に沁み渡っていくような歌だ。大森元貴(Vo・G)が描いてきた、これまでの「夏」とは違った景色を映し出す。(以下、本誌記事に続く)

文=杉浦美恵
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より抜粋)


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