日本の音楽シーンもまだまだ捨てたもんじゃない。なんて言ったら多方面を敵に回してしまいそうだけれども、とにかく十数秒で耳に残るキャッチーなものや、その時々のトレンドを巧みに取り入れた音楽がチャートやプレイリストを席巻している現代において、このバンドが見出され着実に支持を得ていることは多くのリスナー、そしてバンドマンに勇気を与えるはずだ。
kurayamisakaが鳴らす歪んだギターと、合間に浮かぶ儚げでイノセントなメロディやフレーズの多くは、オルタナティブ/インディーロック、シューゲイザーなど90〜2000年代のロックからの影響が色濃い。昨年の「ROOKIE A GO-GO」を経て、今年はフジロッカーたちの投票によってRED MARQUEE出演を果たしたというのも納得である。ただ、単に懐古的に音を鳴らすだけでは、この躍進ぶりに説明がつかないのもまた事実。先達への愛と敬意を存分に滲ませつつポップスリスナーをも魅了するサウンドの源流は一体どこにあるのだろうか。
インタビュー=風間大洋 撮影=井崎竜太朗
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より抜粋)
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