聴いて笑う

聴いて笑う

さっき、会社のビルの1Fのエレベーターホールで、
ものすごくにやにや笑いながら、歩いている女の人を見かけた。
両耳にイヤホンが入っていた。
ああ、ラジオかなんかのポッドキャスト聴いてるんだ、と思った。

iPodが普及してよかったことのひとつに、このように、

「ニヤニヤ笑いながら歩いていても、
『あ、ポッドキャストなんだな』と納得してもらえること」

っていうの、確実にあると思う。
それ以前の時代は、「笑いを誘発するもの」をヘッドホンで聴きながら、
そしてそれによってニヤニヤ笑いながら、外を歩く、ということを、
人々はあまりしなかったのです。

って、なんで言い切れるかというと、私はしていたからです。
カセットテープに録った「ビートたけしのオールナイトニッポン」、
古今亭志ん生や立川藤志楼(高田文夫ね)の落語CD、
大人になってからは「電気グルーヴのオールナイトニッポン」、
清水ミチコのアルバムなどを、
聴きながら歩いていたからです。
で、そのニヤニヤっぷりやワハハハっぷりを、道行く人に
気持ち悪がられた記憶が、たくさんたくさんあるからです。

そういえば、昔は「電気グルーヴのメロン牧場」の
インタビューテープも、そうやってよく聴いていた。
完全に職権乱用です。


伊集院光のエッセイ「のはなし」(宝島社)に書いてあった話。
伊集院が歩いていたら、向かいから来た男が、
彼を見てものすごく驚いたという。
なんだ? と思ったら、そいつはつけていたイヤホンを
はずして、手渡してきたという。
聴いてみたら、自分がしゃべっていたという。

つまり、伊集院光のポッドキャストだかラジオを
録ったものだかを聴きながら歩いていたら、
いきなりそのしゃべっている本人が目の前に現れた、
ということです。
そりゃあびっくりするよなあと思う。
でもちょっといい話。
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