生きてるものはいないのか

生きてるものはいないのか

頭を鈍器で殴られるような衝撃、不安、そして笑いと脱力がいっぺんに襲ってくる、ヤッバーイ映画を先日観た。
主演・陣内孝則(ザ・ロッカーズ)で、さらにザ・ルースターズの大江慎也・池畑潤二、スターリン、泉谷しげる、町田町蔵・・・
など多数のロック・ミュージシャンが出演する1982年公開の映画『爆裂都市 BURST CITY』etc...の監督・石井聰亙が、
名前を石井岳龍と改めて放った10年ぶりの長編映画『生きてるものはいないのか』!

綺麗な大学のキャンパスを舞台に、そこにいる人々が突然バッタバッタと理由も分からず息絶えていく・・・という筋書きなのだが、
その死のあまりの唐突感、理不尽さ、そして死を目前にしても小さいことを気にしてオロオロする人間の様がスクリーンいっぱいに繰り広げられ、
腑に落ちる/落ちない、快/不快を超越した、なんとも言えない後味(よい意味で)がなかなか身体から抜けない・・・。
ここに描かれている世界が不条理というなら、では不条理じゃない死や生ってあるのか?と突きつけられるような。

で、なんといっても音楽の使い方が超絶的。
田渕ひさ子が「Main Theme Guitar Played」としてクレジットされてるんだけど、
明らかに、「音」が「画」に喰ってかかっている瞬間が多々ある。
バックミュージックとしてではなく、映像と同じくらい重要な主役として、音楽が大暴れしている。

スクリーン用ではなくライヴ・コンサート用のスピーカーを使う「爆音上映」っていうのを何度かやっているみたいだけど、
それで観たらさらに腰抜かしそう。
気になる方はぜひ。(福島)
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