第3回:Cocco

第3回:Cocco

今回は、Coccoについてです。
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDと
セッションするCocco、単独でも出演してくれます。


ご存知のように、Coccoは今、いわゆるパーマネントな
音楽活動を行っていない。
なんだパーマネントって。つまり、アルバムを作って、
リリースして、ツアーを回って……というような、
いわゆるプロのアーティストが行うような、オーソドックスな
動き方はしていない、ということです。

ライブも、このJAPAN JAM以外も、ARABAKIやRISING SUN
といったフェスには出るようですが、いわゆるワンマンで、
会場を押さえて……という形では、行っていない。
JAPAN JAM、「アコースティック・セットで30分程度の出演です」と
告知されていますが、おそらく他のライブもそうなのでは、と思います。


ただ、今年になってからは、渋谷エッグマンで
やっている、対バン形式のライブへの出演が、
直前に発表されて、そして出る。ということが何度かありました。
私、そのうちの一回、観ました。偶然です。
3月9日、神聖かまってちゃんが出るイベントだったので、
予定に入れておいたら、数日前にいきなり
彼女の出演が発表されてびっくりしました。

元くるりで、脱退後に彼女のバンドでギタリストを務めた、
大村達身とふたりでのライブ。
CoccoのMCによると、達身、突然呼ばれたそうで、
事前にリハーサルもしていないし、どの曲をやるのかもわからないし、
みたいな、ほとんどぶっつけ本番みたいな状態だったようです。
それにしては、ちゃんと形になっていたと思いますが。

あと、私、さっき「観ました」って書いたけど、正確に言うと、ほぼ観てません。
超満員であり、エッグマンて元々ステージが低い上に、
Cocco&達身、座った状態でのライブだったので、
その姿は前の方の、ごく一部の人からしか見えなかったのでした。

なので、要は「聴いた」だけなんだけど、
いやあ、もう、すばらしかった。
アコースティックだし、ぶっつけならではの、ちょっと
頼りなげなプレイではあったけど、あの、なんていうんでしょう、
「歌」とか「音楽」って、その場の温度を上げたり下げたり、
空気を塗り替えたりすることがありますよね。
いや、物理的にはそんなことありえないんだけど、聴いていると
そう感じてしまうようなこと、あるでしょ。
その歌が、音楽が、すごくすばらしい場合だと。

正にそれでした。しかも、ガツンと一気に塗り替える、みたいな
感じじゃなく、空中をとんでいったメロディの周囲から、
じわあっと変わっていく、みたいな感覚だった。

別に超音波みたいな声を出していたり、すさまじいギターの
かきむしり方をしたりしていたわけじゃない。
すんごいオーソドックス。「普通」って言ってもいいくらい。
あと、MCとかは、全体にわりとリラックスしたムードだった。
でも、そこで鳴っている音楽は、そんなふうに、圧倒的だった。

その場にいたお客さん全員を見ながら、
「ああ、『身じろぎもせず』ってこういう状態のことを言うんだな」
と思いました。自分もそうなりながら。


JAPAN JAMでのステージ、ぜひお楽しみに。


JAPAN JAM 2010 公式サイト
http://japanjam.jp/
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