プリンスの未発表音源のMVをスパイク・リーが監督。この曲との運命の出会いを語る。

プリンスの未発表音源のMVをスパイク・リーが監督。この曲との運命の出会いを語る。

スパイク・リーが監督したプリンスの未発表音源"Mary Don't You Weep”のMVが完成した。こちら。


見ていただければ分かるが、内容は全編スパイク・リーの最新作『BlacKkKlansman』の映像を編集したもの。プリンスの曲は、映画のエンドクレジットで流れるのだ。

この曲はアーカイブの1曲であり、9月21日に発売されるプリンスのアルバム『Piano & Microphone: 1983』に収録される。1983年、ミネソタのホームスタジオでリハーサルした際のライブ音源だ。

『BlacKkKlansman』は今年のカンヌ映画祭で初上映され、次点にあたる審査員特別グランプリを受賞。

実話を元に制作された同作は1979年のコロラド州が舞台となっており、街でアフリカ系アメリカ人として初めて警察官に起用された主人公が白人警官と組んで1人の人物になりすまし、KKKの潜入捜査を行うというとんでもない内容。それがあまりに上手くいき、その最高幹部のデイヴィッド・デュークまでを騙してしまう物語なのだ。主人公を演じるのは、デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デヴィッド・ワシントン。白人警官は、アダム・ドライバーというコンビ。

70年代の話でありながらも現代のアメリカと重なる部分が多く、多くのメディアからは、スパイク・リーの監督作として久しぶりの高評価を得ている。

映画の最後にこの物語がいかに今を描いているのかを念押しするかのような映像が流れるのだが、それがあまりに悲痛でもあるため、その後にこのプリンスの曲が絶対に必要と思える、あまりにぴったりな曲なのだ。

スパイク・リーはこの曲との運命の出会いについてローリング・ストーン誌に語っていた。
https://www.rollingstone.com/movies/movie-features/spike-lee-interview-blackkklansman-trump-705589/

「エンドクレジットの曲が決まっていない時に、Spotifyの役員(でありプリンスエステイトアドバイザーである)Troy Carterを内輪の試写に招待したんだ。それで映画が終わった後で、彼が『スパイク、ぴったりの曲があるよ』と言った。それがプリンスの”Mary Don't You Weep”だったんだ。80年代にカセットに録音された曲だったんだけどね。プリンスは、その曲を俺に使って欲しかったんだと思うんだ。誰がなんと言おうとね。プリンスは絶対にその曲を俺に使って欲しかったんだと思うんだ。この映画で。それ以外には考えられない。このカセットは、ペイズリーパークの倉庫にあって、突然どこからともなく見つけられたわけだからね。絶対に偶然だったとは思えないんだ」

映画の予告編はこちら。

https://youtu.be/pFc6I0rgmgY
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