フー・ファイターズが週末にLAからライブ中継! デイヴが新作、ネコの散歩(!?)、ボウイなどについて語る最新インタビューも公開

フー・ファイターズが週末にLAからライブ中継! デイヴが新作、ネコの散歩(!?)、ボウイなどについて語る最新インタビューも公開

最新作『メディスン・アット・ミッドナイト』を来年に発売すると発表したフー・ファイターズだが、次々にいくつかの情報を発表している。

1)今週末にLAのROXYからライブ中継!


チケットは$15で、日本時間の15日(日)午前10時から開始。
チケットはこちらで買える。
https://nocapshows.com/artist?name=foofighters

ウェブサイトの説明書きを読むと、チケットさえ買っていれば、ライブの終了後48時間はライブ映像にアクセスできる。ライブが終わってから少なくとも30分程度はアップロードに時間がかかるので少し待たないといけない。また、最初の再ストリームでは、自分で観たい箇所が選べないが、1度再ストリームが終われば、その後は、始めから、途中からなど好きに見ることができる。

このライブ中継の公式グッズも販売。スポンサーがクアーズ・ライトなのでそのロゴに合わせていて面白い。サイン入りポスターも売っている。
https://shop.foofighters.com/collections/live-stream-event

ROXYはキャパ500人くらいのライブハウスで、チケットの値段も$15ドル、ポスターが駆け出しのバンドっぽくて最高だ。

2)シングル“Shame Shame”のMVが発表



監督はファッション・カメラマンのPaola Kudackiで、ロックのMVを撮るのはこれが初めて。また、女優でありダンサーでもあるSofia Boutellaが起用されている。

バンドはこのMVについて、「ものすごく意味のある曲で、意味のあるビジュアルなんだ。これまで俺たちがやったことがないようなもの」とコメントしている。

実は以下のインタビューの中でデイヴ・グロールは、この映像は彼が14歳の時にみて、これまでずっと忘れられない夢を再現したものだと語っている。

3)シングル、最新作などを語るデイヴ・グロールのRadio Xインタビュー


デイヴ・グロールが、新曲のMV発表直前にイギリスのラジオRadio Xのインタビューに答え、シングルのこと、新作のことなどを語っている。以下インタビューの要約。
https://www.youtube.com/watch?v=za0cY2qEr04&feature=youtu.be

●今の気分はどうですか?

「うん、今日はいい気分だよ。朝早く日が出る前に起きたんだ。コーヒーを作って、ネコの散歩に出た。ネコを散歩に連れて行ったんだよ! 新しいネコを飼ったんだけど、俺が住んでいる地域は、ネコが外を歩けない。丘の上のほうに住んでいて、コヨーテがそこいら中にいるからね。だからネコにリードを付けて外を散歩しないといけないんだ! ネコにリードを付けて散歩するなんてやったことない。ベンガルで野性的なネコだから、リードが大嫌いでさ。俺だってそうやって散歩するのは嫌いだよ」


●シングル“Shame Shame”について

「このアルバムを作っている時に……このアルバムを作り始める前に、どういう作品にしたいのかをみんなでかなり長い間考えたんだ。このアルバムは10枚目となるし、バンドの25周年だし、さて何をしようか、とね。

めっちゃクレイジーでエクスペリメンタルなサイケデリック・ロック・アルバムを作るか、昔やったようなメロウなアコギ・アルバムを作るべきかとかね。

それで自分達が子供の頃から聴いてきて大好きだったアルバムがどんなものだったのかを思い出してみた。気付いたのは、俺たちが大好きだったアルバムって、グルーヴィーで、ダンスができるようなロック・レコードだってこと。デヴィッド・ボウイのアルバムがそうだし、パワー・ステーションにしろ、ローリング・ストーンズにしろね。それでそういうサウンドって俺たちがこれまで探求したことがないサウンドでもあると気付いた。

このアルバムのレコーディングを開始した時に――1年前のことだけど、最初にレコーディングした曲は“Making a Fire”という曲で、昔のスライ & ザ・ファミリー・ストーンのようなデカいギターサウンドで、デカいサビがあって、グルーヴがあるような曲になった。

そういう分野を探求していくにうちに即座にフー・ファイターズの曲だって分かるようなものもできたけど、ある時“Shame Shame”ができた。ドラム・ビートから始まり、指を鳴らす音とか、手を叩く音がオーバーダブされて、そこからギターを弾き、ベースを弾き、ボーカルを入れて、でも1日の終わりにはこの曲ができてしまったんだよね。俺たちがこれまで作ったこともないような曲だと思った。

それでこれだけ長くバンドをやっていると、そういうことこそがエキサイティングなんだ。こういう方向をもっと追求したいと思うインスピレーションとなった。

ただこの曲は、アルバムの中では他の曲とは違うから目立つ曲で、アルバムの他の曲はこういう曲ではない。でも俺たちがこれまでやったことのないような曲だから面白いし、クールだと思ったんだ。バンドのこれからの25年を紹介する良い幕開けになると思った。俺たちがバンドを続けていくなら、もちろん続けていきたいと思っているからこそ、俺たちは変化し、前進し続けなくちゃいけないと思うからね。しかも、すごくキャッチーで、俺が子供の頃から好きで影響を受けたバンドやアルバムの音が聴こえてくるようだと思ったしね。だからこの曲は良いスタート地点になると思った。

それで他の曲を聴くと、このアルバムにどれだけ多様な曲が詰め込まれているのか分かると思うし、速攻性の高いヘヴィな曲もあるし、デカい曲もあるし、色々なんだ。だけど、この曲は、とにかく他とは違って突出しているんだよね。だからこれをシングルの1曲目にしたかったんだ」


●アルバム全体の流れ

「“Shame Shame”はアルバムの2曲目で、1曲目はデカいガツンとくる曲で、この曲でドンと落ちて、それでここから徐々にデカくなり、グルーヴがどんどん強くなり、それで、あ、そうだった。これはフー・ファイターズのアルバムだったと思うところまでいく(笑)」


●Shame (恥ずかしい)と最近感じたのはいつですか?

「この曲のビデオが間もなく公開されるけど、このビデオは俺が14歳の時に見た夢にインスパイアされて作ったものなんだ。俺は丘の麓に立っていて、丘のてっぺんで、枯れた木の横にある棺桶に火が付いていた。それで俺は、その丘を駆け上がって、棺桶に入っている人を救おうとしている。俺の手はやけどしていてね。だけど、俺はこの夢をいまだにずっと忘れられないでいる。それで、この曲を書いた時に、オーマイガー、とうとう俺は14歳の時に見た夢についての曲を書いた、と思った。

それでそれを元に美しいビデオを作った。めちゃダークなんだ。それも俺たちがこれまでやったことがなかったことだと思う。アルバムをものすごくヘヴィでダークな場所から始めるってやったことなかったからね。でもそういうダークなエモーションって非常に普遍的なもので、誰だって人生のある地点でそういうダークなエモーションって抱えるものだと思う。それですぐにパワフルでヘヴィなものができた」


●あなたもMVでダンスしているんですか?

「俺がダンス? そんなことしたらキャリアがそこで終わるね。俺たちがダンスできるアルバムを作っただけでも奇妙なのに(笑)。俺が実際ダンスするのをみんなが見る必要は絶対にないと思うよ」


●ロックダウンについて

「3月に始まった時は、ものすごくナーバスだった。俺はクリエイティブな面において、落ち着いていられないタイプの人間だからね。それにこれまでバンドと20年間毎日一緒に作業してきたわけで、俺がバンドに関する何かをしなかった日ってないんだ。だからそれがすべてストップした時、マジでビビったよ。だから音楽ではないものを書き始めた。物語をね。これまで何年かの間に起きたことを書いてみた。すべてがストップした時に、みんな自分を見つめて、何が大事なのかを考える機会にもなったと思うから、それは良かったと思う。これまでどんなことを当たり前に思ってきたのか、とかね。家族について考えたりね。

それで今って『ノーマル』がなくなってしまった。つまり、『新たなノーマル』を作らないといけない。だけどそれってクリエイティブな思考にとっては、良いことだと思うんだ。何が自分を幸せにして、喜びを与えるのか、生きていると思えるのか、と考えながら何かを生み出すと思うからね。

だからこそ、このアルバムを発売したかったんだ。俺たちはスタジム・ライブもツアーもできないけど、俺たちが喜びを得るのは、みんなに音楽を発信していくことからだ。それを聴きながら、土曜日の夜にワインを飲みながら、キッチンでみんなで踊ってもらいたい。そういう時代なら、それが俺たちがやりたいことだ。俺たちは今ワインを飲みながら、キッチンで踊る。それをやるべきなんだ」


●物語を書いて発表してましたが、デヴィッド・ボウイにファック・オフ(失せろ)と言われたことについて

「俺たちはそれ以前に会ったこともあるし、レコーディングをしたこともあったんだ。彼はマジで最高に素敵な人で、ジェントルマンだし、面白いし、頭がいいしね。ハンサムだし、美しいしね。最高だし。地球上で最もクールな人だ。それで俺は映画のサントラを頼まれていて、または映画の1曲を頼まれて、フー・ファイターズではなくて、ソロでお願いされた。それ自体奇妙な感じだったけど、それじゃ他の人に歌ってもらおうと思った。それで、その時デヴィッド・ボウイの長年のプロデューサーであるトニー・ヴィスコンティと、ある人のアルバムを一緒にレコーディングしたところだったから、トニーに連絡して、デヴィッドがこの曲に参加してくれるか訊いてみようと思った。それでデヴィッドのメールアドレスを聞いて、デモを送った。かなり時間が経ち、数週間後に、返事が来たんだ。『曲は聴いたよ。映画についても聴いた。でもこういうジャンルの映画は僕がやりたいこととはちょっと違うんだ。君とはいつかコラボレーションしたいけど、でも今回は違うと思う。元気でガンバってね』とね。ものすごく優しいメールだった。

それで、僕は短く返事をした。『そちらもお元気で』ってね。

それを送った1分後に彼から返事がきて、『これで片付いた、じゃあ失せろ』ってね。

それで俺は、オーマイガーってビビって、すぐにメールを返して、『えっと、それではまた10年後に会いましょう』って書いたんだ。彼に10年間会っていなかったからね。そしたらまた即返事が来て、『君には会いたくないな』って書いてあった。ジョークで言っているのか分からなくて、オーマイガーと思ったけど、でも実際はジョークで言っていたんだ。

でもそういうメールでのやり取りをしたことがあって、彼はすごく面白い人なんだ。しかも頭の回転が速いから、速攻で返事が来る。そういうところが大好きだった。みんな彼のことをどこか宇宙からやって来たように思っていると思うけど、実際はすごく面白くて、優しい本物の人間なんだ。だけど、一瞬マジでビビったよ。自分のヒーローが俺に『失せろ』って言ったと思ったからね」


●25年のバンドツアーの中で、最悪だったこと

「(笑)何年も何年も何年分もあるよ。中でも最悪だったのは、最初のフー・ファイターズのツアーを赤の15人乗りのダッジのバンでやったんだけど、機材も全部積んで、人もみんな乗せて。みんなそこで寝たりもした。そのバンはまだ持っていて、俺のスタジオの駐車場に停まってる。それでステージから降りると普通は汗でびっしょりになってる。俺はTシャツを脱いでバンの後ろに投げ捨てていた。バンの後ろに棚があったんだけど、機材は棚の下に置いて、その上で寝てたんだ。1995年くらいの話だけどね。それでツアーが終わってバンを家に持って帰って、機材を全部出したら、俺が汗だくになって投げ捨てたTシャツがそのまま1ヶ月くらいそこにあった。木で作った棚にくっついていただよね。それで、そのTシャツを取ったら、なんとその下の木にキノコが生えていたんだ。キノコだよ! どんだけの菌がバンの中にあったんだよ(笑)」


●そのTシャツはどうしたんでしょうか?

「たぶん何事もなかったように乾燥機に入れたと思うよ(笑)」


4)デイヴ・グロールが10歳の天才少女と一緒に曲を作ることに


デイヴ・グロールが、イギリスに住む10歳のNandi Bushellと音楽対決をしているのをフォローしている人は多いと思う。なんと、とうとう一緒に曲を作ることになった。ツアーが開始して、イギリスに行ったら、ステージで共演しようと、とまず言っている。でも君が最初に出て来ちゃうと、それを頂点にしてそこから全部盛り下がるから最後に出て来てね、と。
https://www.youtube.com/watch?v=rS4ZBM1_UlM&feature=youtu.be

また、「俺は最近ドラムをやってないから、(Nandiに)ドラムを教えて」って言ってるのも素敵だ。「自分の娘達にとって、Nandiはヒーローで、彼女達も音楽が大好きだけど、君みたいには演奏できない」と。

曲を一緒に作るにあたり、デイヴはギターを弾いて、Nandiは、ドラムとベース。2人で一緒に歌うことになった。

デイヴがNandiに書いた曲。
https://www.youtube.com/watch?v=LuIFi9EwCWM&feature=youtu.be

Nandi がデイヴに書いた曲。“Rock and Grohl”
https://www.youtube.com/watch?v=bOhxf6mBp7A&feature=youtu.be

ここまで対決が進んで、次に一緒に曲を書くことになった。

とりあえず週末のライブ中継が楽しみだ。アメリカでは、コロナでの外出禁止が始まってしばらくは、ライブといえばチャリティを目的とした無料のネット中継がほとんどだったが、ここにきて、ビリー・アイリッシュ始め有料のバーチャル・ライブの方向に移行してきたように思う。金額的には$20前後で、ネット中継の特別グッズなども販売されることが多い。

フーファイのライブの利益の一部はミュージシャン、スタッフを支援するSweet Relifeに寄付されることになっている。
https://www.sweetrelief.org/
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