SMAPと椎名林檎による“青春の瞬き”ーー『スマスマ』での感動的コラボを観た

SMAPと椎名林檎による“青春の瞬き”ーー『スマスマ』での感動的コラボを観た

2016年12月26日(月)の放送をもって、20年9ヶ月に及んだ『SMAP×SMAP』が終了する。最終回は過去映像とともに振り返る約5時間のスペシャルとなることが決まっているため、レギュラー放送としての実質上の最終回は、昨日19日放送回ということになる。「ビストロSMAP」の最後のゲストは、メンバーと親交の深いタモリだった。タモリほど、このビストロの最後を締めくくるにふさわしいゲストはいない。いつものように肩肘張らないトークでスタジオの空気を和ませながら、SMAPメンバーひとりひとりを労うかのような、温かい気遣いも感じられた。

そして、番組のもうひとつの人気企画である「S・LIVE」のラストを飾るアーティストは、なんと椎名林檎だった。「S・LIVE」は毎回、番組のエンディングでさまざまなゲストアーティストとSMAPがコラボレーションして、多くの名場面を生んできた。この最終回に椎名林檎が登場し、しかも名曲“青春の瞬き”をSMAPとともに歌うというのだ。「青春」を歌うこの曲を。

白の和服に紫の羽織をまとった椎名林檎が目を閉じ中央に立ち、SMAPがそれを取り囲むように静かなダンスを魅せる。彼女の歌声に、それぞれのメンバーの声が重なる。彼女はまるで5人の想いに寄り添うように、時に顔を見つめながら、美しい歌声を聴かせてくれた。

《時よ止まれ 何ひとつ変わってはならないのさ》という歌詞は、何ひとつ変わらないでいるためには、時を止めるしかないのだと、時間が誰にも等しく残酷であることを教えてくれる。《いつも何故か 気付いた時にはもう跡形も無い》と、かみしめるような歌声が耳に残っている。

この曲を選んだのが誰だったのかはわからない。しかし、その姿をテレビの前で見守るファンたちにも、これほど心に浸みる歌はないだろう。エンディングは5人がそれぞれ別の方向へと歩いていき、これまで残してきたものに思いを馳せながら、最後はまた全員が横一列に並ぶ。そしてその時やはりSMAPは特別だったと、私たちは思い知る。(杉浦美恵)
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