これはいわゆる「バンド」の「ライブ」とはまったく違う。というか、バンドとかエンターテイナーとかいう既存の枠組みには、4人の表現空間のスケールはどうにも収まりようがない。
SEKAI NO OWARIドーム＆スタジアムツアー「タルカス」、さいたまスーパーアリーナ2日目。僕が観たどのアーティストのどんなステージとも異なる景色がそこにはあった。

おとぎ話とミュージカルとポップオペラが渾然一体となって、僕らの残酷な真実とその先の希望を指し示すような物語性が、生リズム隊＆管弦楽隊も擁した豊潤なサウンドと響き合っていく――。
これまでにもコンセプチュアルなワンダーランドを構築してきたセカオワだが、今回の「タルカス」の世界は終始朗らかな筆致を貫きつつも、自らの哲学をアート化する表現者としての4人の覚悟と矜持を強く感じさせるものでもあった。

ツアー「タルカス」はあと3公演続くので曲目や演出の詳細はここでは割愛、ツアー終了タイミングで公開のライブレポートに全部注ぎ込みますのでしばしお待ちを。（高橋智樹）