大森靖子に取材しました。最新アルバム『kitixxxgaia』は名盤です
2017.03.18 21:00
アルバム『kitixxxgaia』をリリースした大森靖子に取材しました。この作品全体から伝わってくるテーマは「不揃いでバラバラなあらゆる人々の心を重ね合える場所を作りたい」というような想いです。音楽から得られる感動に関しては様々な意見があると思いますが、自分自身でもよく分からない漠然とした感覚に明確な輪郭を与えてもらったり、なかなか周囲に受け入れてもらえない自分の歪さを肯定してもらったと感じたり……というようなことが、曲を聴いた時に湧き起る「感動」のひとつの形ではないでしょうか。このアルバムは、まさしくそれに満ち溢れています。
そして、様々なアーティストとのコラボレーションが実現しているのも、今作の猛烈な楽しさです。シングルとして既発の“非国民的ヒーロー feat.の子(神聖かまってちゃん)”や小室哲哉作曲の“POSITIVE STRESS”などの他、最高にドラマチックなサウンドが実現している“ドグマ・マグマ feat.fox capture plan”、様々な女性アイドルのキャッチーフレーズをコラージュした歌詞とヒャダインによる編曲がキラキラしている“IDOL SONG”、濃密なムードを醸し出しているふたりの歌声でドキドキできる“地球最後のふたり feat.DAOKO”……などなど。彼女が℃-uteに提供した曲をリメイクした“夢幻クライマックス かもめ教室編”も、一種のコラボレーションと言っていいのかもしれません。
そして、多彩な曲を聴いてワクワクした末に辿り着くラストの“アナログシンコペーション”が胸に深く沁みます。このアルバムのテーマがサウンドと言葉で鮮やかに表現されている曲です。あと、“オリオン座”がとんでもない名曲であること、サクライケンタ編曲の“ピンクメトセラ”のサウンドがかっこ良過ぎることにも触れたくなったり……思わず全曲についてこのスペースで書いてしまいそうな『kitixxxgaia』の話を踏まえつつ、彼女の活動の核にある想いを語ってもらったインタビューは、『ROCKIN’ON JAPAN』5月号に掲載しますので、ぜひ読んでください。彼女が優れた表現者であることが伝わったら、とても嬉しいです。(田中大)