ビリー・アイリッシュ、1年ぶりに新曲発表! バービーとともに歩んだ自己探求の旅

ビリー・アイリッシュ、1年ぶりに新曲発表!  バービーとともに歩んだ自己探求の旅 - rockin'on 2023年9月号 中面rockin'on 2023年9月号 中面

ビリー・アイリッシュが、7月13日にサプライズで、映画『バービー』(8月11日公開)の豪華サントラに収録される“What Was I Made For?”を発表した。「私にとって超意味がある曲。この映画はあなたの人生を変えると思うから、この曲もそうだったら嬉しい。泣く準備をしておいて」とインスタで告知していたけど、『ギター・ソングス』から1年ぶりの新曲であるためそれだけでも貴重。しかしApple Music 1のインタビューを見ると、それ以上に深い意味があることが分かる。

何しろ「去年の冬から全くインスピレーションが湧かなくなっていた」と言っていたから。さらに「自分が作った曲を誰も好きになってくれなかったらどうしようとものすごくプレッシャーがあって、曲が書けなくなっていた」と。つまりかなり深刻な危機に陥っていたということだ。そんな時にこの曲の話が来て、「バービーとグレタ・ガーウィグ(監督)が自分の中からこれを引き出してくれた」。つまり『バービー』に救われたのだ。

ビリーはインスタで自分が持っていたバービーのドリームハウスやバービーの格好をした写真を投稿していたように、バービーが大好きな子供だった。それで映画の映像の一部を観せてもらって感動し、次の日に「フィニアスが、オープニングのピアノを弾いたら、その瞬間に最初の歌詞が自然に出てきた」。

さらに面白いのが、ビリーは映画のテーマであるバービーのアイデンティティの喪失について《私は一体なぜここにいるの 私は一体誰なの?》《自分は生き生きしていると思っていたのに 実はリアルじゃなかった 誰かがお金を払ったからいるだけ》と歌っているけど、完成してから車の中で聴いて、今の自身の心境を、バービーを通して客観的に描いていたことに気付いたというのだ。

世界一売れていると言える人形であるが故に賛否両論あるバービーと、世界一の大スターになった自分の存在意義を重ねていたというなんとも切ない話。だから彼女が監督したMVではバービーの箱からビリーがこれまで着ていたアイコニックな衣装が次々に出てくる。しかしバービーのおかげで救われたわけだからハッピーエンド。ビリーが言うように映画の重要なシーンで流れるので、絶対に劇場で体験して欲しい! (中村明美)



ビリー・アイリッシュの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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