【インタビュー&出演アクト解説】洋楽好きのための新たなるフェスrockin'on sonic 2026――プロデューサー山崎洋一郎へのインタビューと豪華出演アクト解説で見どころを完全網羅!

●ロキソニ2026のトライアルとして、1回目の開催で残した課題は何かありますか?

山崎「去年は2日間あったから、ブリットポップのバンドと2日目はアメリカのエモ、オルタナティブロックシーンのバンドを中心にすごくよい形に組めたんだけど、やっぱり少し特定の世代のラベリング感がありすぎた気がして。あったからこそ成立したんだけど、それに縛られちゃだめだっていうのがどうしてもあったかな……」

●心地よすぎる?

山崎「いや、あれで3回続けちゃったらもう『そういうイベント』ってラベリングされちゃうから、それはやっぱりなんか違うなって。本当の意味で、日本で洋楽カルチャーを発展させていきたいと思ったら、できる限り自由でいなきゃいけないなって思うから、そのせめぎあいが難しいところですね」

●今回結構重要ですよね。このラインナップの振れ幅が受け入れられればそれ以降すごく楽になるというか。

山崎「ね。これならやっていけるなっていうビジョンが見えるんだけど。今回のラインナップですら『初回と違うじゃん』の一言で片付けられちゃうと厳しいかもね」

●新年の一発目には最高の祝祭ですけどね。ペット・ショップ・ボーイズで年明けって縁起がいいじゃないですか。で、このあとのラインナップってどうなるんですか? さらに広げていくパターンなのか、幅を広げて骨格はできたので詰めていく感じになるのか?

山崎「『よっしゃ!』っていう安心感もあり、驚きもありのアーティストになります」

●なるほど(笑)。ちなみに第2弾の発表はいつを目指していますか?

山崎「10月後半くらいかな。ちょっと間が空いちゃうんだけど」

●今回のロキソニで「ここに注目してほしい!」みたいな山崎さんからのアピールポイントはありますか?

山崎「これもラインナップに関することなんだけど、確かに第1回は特定の系統が好きな人にとってはどストライクで、『最高!』って思ってもらえたと思うんだよね。それに比べたら、今回はちょっとバリエーションを出している。でも例えば、サマソニだったりフジロックだったら、ロキソニどころのバリエーションじゃないわけですよ。それに比べると、ある特定の人たちの好みにすごく合わせたフェスにちゃんとなっていると思うんだよね。

だから『1回目と比べて私の好きなものが少なくなっちゃった』って思うかもしれないけど、このバリエーションを積極的に楽しむっていう姿勢で来てもらいたいなって思うし、洋楽ファンってそういうマインドの人たちだと思うし。『これも聴いてみよう、あれも聴いてみよう』っていうほんの少しの積極性があれば十分楽しめるくらい、バリエーションは狭いです!(笑)」

●2回目って超重要ですよね。でもフェスは、ここが成功するとほとんど慣性飛行に入っていくというか。

山崎「フジロックもROCK IN JAPANも1回目にひどい目に遭ってるし、そういう意味ではロキソニも1回目は痛い目に遭ってるよ、収支面で(笑)」

●山崎さん的にはフェス開催全体を通して、どんなビジョンを持ってやっているんですか?

山崎「洋楽黄金時代の熱を徐々に下の世代に広げていって、下の世代からも『レジェンド多めだけど、面白そうなフェスだから行ってみよう』みたいな感覚で、逆に若い人のエネルギーも交わりつつ一体化していくような。また新たに日本における洋楽カルチャーの熱が復活するところまではたどり着きたいなとは思っています」

●洋楽リスナーの層をより拡大していくことで、株式会社ロッキング・オンとしても雑誌『rockin'on』としてもいいことがあるし、ってところですよね。すごく重要で壮大なプランですね。

山崎「そうだね。でも初回が成功したことで、火種が生まれたなって感じがする。もし初回をやっても熱量が生まれてなかったら、『これはやってもしょうがないな』って思ったかもしれないけど」

●本当に一観客として、初回が自分にとって都合がよすぎたんですよ(笑)。「こんなに現実は都合よくないぞ」と、2回目以降ある意味警戒していた部分があったんですけど、2回目の振れ幅で自分の中で都合のいい部分はある程度引き継がれていて、かつ現実に即したものになっているので、観客代表として言わせてもらうと、これが第3回、第4回とパーマネントなフェスになっていく最良の広げた扇の幅だなっていう感じがすごいしますね。

山崎「お褒めいただきました」

●初回はもはや罪悪感を感じるくらい読者のことを考えすぎているというか、「こんなにいいんですか? すみません」みたいなフェスだったので……。

山崎「そう、まず第1回はそこからスタートしようと。40代、50代の人たちが20代だった頃の、洋楽ど真ん中だった時代の熱量よりはやっぱり下がっているだろうし、全盛期の頃の活発さは失われていて。洋楽アーティストの単独のコンサートに行ってもその世代の人たちが少なくて、逆にもっと上の世代の人たちがいるみたいな状況だったから、そういう人たちに『いや、洋楽って楽しかったじゃん!』って訴えかける1回目だった(笑)」

●彼らの肩を掴んで「思い出せー!」ってね(笑)。

山崎「ただ、それをずっとやってるのも違うかなって。アンダーワールドとペット・ショップ・ボーイズだから、年齢層は高めといえば高めだけどね」

●ペット・ショップ・ボーイズとニーキャップが同時に観れるフェスってなかなかないですよ(笑)。残りのアーティスト発表も楽しみです!
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