【インタビュー&出演アクト解説】洋楽好きのための新たなるフェスrockin'on sonic 2026――プロデューサー山崎洋一郎へのインタビューと豪華出演アクト解説で見どころを完全網羅!

●まずどこから決まったんですか?

山崎「最初にアンダーワールド。ケミカル・ブラザーズとかアンダーワールドは同じ90年だけど、ダンスカルチャーのレジェンドでもあるというところで、いわゆる90年代ブリットポップとかとはまた違う物語を繋げていけるなという思いがあって。そういった意味でアンダーワールドはよい軸になるなと」

●もしかして、ダンスロック号(rockin'on 25年6月号)を作ったときからすでにそういう構想があったんですか?

山崎「そうだね。実はロキソニの公式Xは、1回目の開催が終わってからずっと更新してなかったんだけど、ダンスロック号発売の投稿だけリポストしてるの。ちょっと匂わせようかなって思ってやったんだけど、誰も気づかなかった(笑)」

●でも第1弾アーティストが発表されたあと、鋭い人たちが「あれって実は伏線だったんだね」ってポストしてましたよ(笑)。

山崎「じゃあもうひとつバラすと(笑)、1回目開催したときの会場内BGMをプレイリストでSpotifyに1000曲くらいアップしてて。実際に会場内で流してすごく好評だったのね。実はあれも1回目終わってからずっと放置していたんだけど、第2回の第1弾ラインナップ発表の2ヶ月前から、出演決定したアーティストの曲を追加してるんですよ。アンダーワールドとペット・ショップ・ボーイズと、ニーキャップとトラヴィスと、ウルフ・アリス。1曲ずつ入ってます!」

●こそこそと(笑)。

山崎「この匂わせも誰か気づかないかな〜と思ったけど、誰も気づいてなかった(笑)」

●(笑)。ブッキングの際、アーティスト側の反応はどうでしたか?

山崎「みんな喜んで出てくれる感じだったね。アンダーワールドは真っ先にOKしてくれました」

●じゃあアンダーワールドが決まったところで、ダンスポップ的な今年のカラーが見えてきて、そこからのペット・ショップ・ボーイズだったんですか?

山崎「そう。アンダーワールドを軸にするとロックにも行けるし、ダンスカルチャーの方にも行けるし。ただ、ペット・ショップ・ボーイズって実はそのどちらでもない、80年代のポップカルチャー的存在で。そこにも行けるんじゃないかと思ったんですよ、90年代からさらに遡って。

80年代のMTVでMVが流れまくってチャートに入りまくって、みたいなペット・ショップ・ボーイズの曲の作り方やスタイルは、今の時代から見ると、それこそ80年代リバイバルみたいな文脈においても、元祖みたいなものだから。みんなが知ってる有名な曲もいっぱいあるだろうから、むしろリアルタイム世代の僕らとはまた違った、若い子なりの期待感と楽しみ方ができる」

●それは本当にそうで、私の周りではペット・ショップ・ボーイズが決まったとき、私より若干上の世代の人たちが「なぬ!?」って反応する一方で、「初めてのペット・ショップ・ボーイズ、観てみたい!」っていう彼らをまだ観たことがない20代、30代の人たちが想像以上にいて。実は去年のお客さんとは違う20代30代、および50代みたいな不思議な二極化で盛り上がってるのが面白いなと思って。

山崎「少なくとも若い人から拒絶はされないし、むしろ親しまれるんじゃないかと思って。本当にどういうお祭りになるのかが、想像できそうでできない。ペット・ショップ・ボーイズが持っているあのショーアップ感と、アンダーワールドが持っているエキサイティングなレイヴ感。それが一日の中でどう成立するのかがめちゃくちゃ楽しみです」

●でも、アンダーワールドとペット・ショップ・ボーイズの2組は結構意外でしたね。

山崎「あれは狙ってました。ペット・ショップ・ボーイズはステージ制作の部分で多少交渉に苦労したけど、最終的にはすべてがクリアになって。で、ペット・ショップ・ボーイズとアンダーワールドが決まって、そしたらあとはもう今へと向かって『ニーキャップだ!』って(笑)」

●トラヴィスは信頼と安心のトラヴィスですよね。

山崎「そこはもう絶対外せないと思っていて。第1回を支えてくださった1万数千人の方たちに向けて。やっぱりそこを求めている人が多いと思うから、しっかり押さえて。ニーキャップに関しては、ヒップホップとアンダーワールドって音楽性は違うけど、同じビートミュージックだし、ロックバンドではないけどすごくロックなアクトってところで、今へのアプローチとして一番いいんじゃないかと」

●で、ウルフ・アリス。

山崎「ウルフ・アリスはロックファンであれば、若い人でもそうでなくても絶対に一目置いているというか、認めているアーティストだと思う。なんと、交渉して出演がほぼ決まった時点でリリースされたアルバム(=『ザ・クリアリング』)がものすごくチャレンジ作で。タイミング的にはドンピシャだなと思って。あのアルバムは今までのウルフ・アリス以上にオールマイティなアルバムなんじゃないかなと思ってます」

●今回は一日間開催ということですが、カレンダー的な問題が大きかったんでしょうか?

山崎「そうですね。まず会場の幕張メッセを使用できる日が1月4日以降っていうところと、来年は5日が月曜日なので。やっぱりお正月休みでの開催となると、必然的に一日間開催にせざるを得なかったという。その分より濃度を上げて、この一日に凝縮できればと思ってます」

●あと値上げの件も。でも1500円の値上げって良心的じゃないですか? 最近は単独公演のインフレがすごいので……。

山崎「そう言ってもらえると涙が出そうになるけど、やっぱり今はまだ始まったばかりだから、なるべくハードルを下げて、多くの人に来てもらいたい。かなり苦渋の決断だったけど、SNS上では応援してくれる言葉がとても多かったからありがたいです」
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