「百年法」がものすごくおもしろい

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SIGHTには、毎号「作家インタヴュー」というコーナーがあるのですが、
次号:9月29日(土)発売の2012年秋号では、上のこの本を
上梓したばかりの、山田宗樹さんにご登場いただいています。

ベストセラーになり、映画・テレビドラマになってさらにヒットした

『嫌われ松子の一生』で知られる作家で、あの本、私も夢中で読んだ覚えが
ありますが、この『百年法』(上下巻/角川書店)、それを超えてしまっています。

第二次世界大戦後、人間に不老不死をもたらす技術が日本に持ち込まれた。
その施術を受ければ、永遠の若さを得ることができる。
しかし、そのまま誰も死ななかったら、当然、この社会は立ち行かなく
なるわけで、ゆえに、その施術を受けた者は、それから100年経つと
基本的人権を剥奪される、つまり死ななければいけないという法律
「生存制限法」、通称「百年法」も、合わせて制定された。
それが制定されてからまもなく100年、はたしてこの法律は
施行されるのか、それとも……

というところから始まる物語。
という時点で、既に相当おもしろそうですが、読むと、もっとおもしろい。
というか、その設定がすごいんじゃなくて、その設定を得た山田宗樹は、
物語をどう広げ、どう転がし、どう飛ばし、そしてどう収束させるか、
というところが、本当にすごい。
「読み出すとページをめくる手が止まらなくなる」というのは、
おもしろい本に対する賞賛としてよくある形容だけど、
この本の場合、そのレベルを超えて、「途中で読むのを一時中断する
ことがもう不快で不快でがまんできなくなる」レベルだと思います。
自分が見事にそうなったので。

インタヴュー・ページのほか、日本の書評界のツートップ(だと僕は思います)、
北上次郎と大森望の連載書評対談「読むのが怖い!」のページでも、
取り上げられています。
この本も、SIGHTも、ぜひ。

SIGHT2012年秋号(11月号)、9月29日(土)発売です。
さらに詳しくはこちらを。http://ro69.jp/product/magazine/detail/69588(兵庫慎司)
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