僕たちが聴きたいくるりの王道の直球の曲たちが、直球のアレンジと直球の歌と演奏で繰り広げられる。
くるりの「歌もの」にどっぷりと浸れる最高の1枚。
未来的なアングルの中でくるりの音楽を鳴らした前作『THE PIER』の次にこう来るとは、なおさら嬉しいな。


いろんな理由と経緯があってこういうアルバムになった。
『THE PIER』で始まった新しいポスト・プロダクションのやり方、岸田繁の音楽観の変化、アルバムというものに対する捉え方の変化、などなど。
その中でも最も大きいのは「意外とやってなかった、90年代のくるりっぽいことをあえて今のくるりのやり方でやった」という点。
そして、そんな、くるりがくるりのコスプレをやるみたいなことをやっていく過程で図らずも岸田は音楽の新たな本質に目覚め、ラスト曲「NEWS」ではコスプレどころか今まで見せたことのない裸の歌にたどり着くのだ。

感動的なアルバム。素晴らしいアルバムだ。（山崎洋一郎）



ロッキング・オン・ジャパン最新号
くるりインタビュー記事より